Can't stop toxic ２

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Your side





そういえば、神山くんもいつも、家族の話をしてる気がする。



姉妹に挟まれて、俺ひとり立場ないんよーなんて、笑ってた。




濱田くんだって、育った田舎の話やお父さんの話をよくしていて。





みんな、子どもの頃から家族と共に戦ってきたんだとわかった。




自分の努力と、仲間との絆と、家族からの深い愛を原動力に、死に物狂いでやってきて。



一度その手で掴みかけ、すり抜けてしまったデビュー。




それを今度こそ自分の物に出来る瞬間はもう、すぐそこまで来ている。






リハーサルが始まり、ステージ上で歌い踊り駆け回る彼らを眺めながら



誰にも聞こえないほどの小さな声で呟いた。







「････なんか、いいな」







家族がいないわたしには、知り得ない愛。




その愛に溢れた彼らは、人に与える愛もすごく大きいんだということが


スタッフさんたちとの関係を見ているとすごくよくわかる。





常に周りを見て、常に感謝し、気づかいを忘れず、優しさをもって相手と接する････




それが出来る人は、きっと多くない。






わたしもそんな人間だったら、また違う生き方が出来たのかな････。








．









その日の夜、リハーサルが終わったタイミングで、一人一人に手ぬぐいをプレゼントした。






「大した物じゃないんですけど、公演中に使ってもらえたら」






すると、一際大きな声で驚いてくれた小瀧くん。






「うわ！何これめっちゃすごない！？俺の名前入ってる！手作り！？え！？いつ作ったん！？」



「夜、ホテルで････」



「望、興奮しすぎやろ(笑) けど、ほんますごいわ。ありがとうな！」






桐山くんをはじめ、みんなが口々に喜んで、首にかけたり頭に巻いたりしてくれて。




そして、この人も････






「こんなんされたらもう、絶対失敗できへんな。ありがとう」



「あ、怒りん坊が笑った(笑)」






重岡くんにからかわれ、いちいちうるっさいなお前は！とツッコむ中間くん。




初めてわたしの目を見ながら笑ってくれたことが、すごく嬉しかった。







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