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Your side
次の日の朝早く、東京に移動。
実際の会場でゲネプロがあって、２日後に本番がある。
セットも出来上がっていると聞き、客席の入り口から中に入った瞬間、息を飲んだ。
色を変え、リズムを変え、走るように光る大きな照明が、ステージをぐるりと取り囲むように取り付けられていて。
「････････わぁ」
その綺麗さに、思わず漏れるため息。
すると、背後から
「････綺麗やろ？」
という声がして。
振り返ると、そこにいたのは藤井くんだった。
客席の、わたしが立っていたところより一列、後ろの席に腰掛けて。
静かに話し始める。
「俺らな、つい２ヶ月前まで地獄におったんよ」
「････････････、」
わたしが応えられないでいると、知っているとわかったのか、話を続けた。
「家族にもたくさん悲しい思いさしたし。でもそれももうすぐ、終わりや」
７人でデビューすると言われ、今までの努力がようやく報われたんだと思ったのに。
子どもの頃からずっと一番のファンでいてくれた両親を、やっと安心させてあげられると思ったのに。
年末、気づいたら４人だけが東京にいて。
その４人でデビューするんだと聞かされたときはもう、目の前が真っ暗で。
「何でお前は入ってないんやって、親に言われたときはほんま････、何も言えんかった」
もう、辞めたっていい。道はいくらでもある。
家族はそう言ってくれたけれど。
「ちゃうねん。俺の道は、７人でのデビュー以外、ありえへんかった」
決まったことを覆せる根拠なんてなかったし、自信もなかったけれど、他の２人に「俺は絶対諦めへん」って言い切って。
歯ぁ食いしばって奔走した、この２ヶ月。
「ま、他の６人が頑張って動いてくれたおかげやわ！あとは俺の執念深さ？」
ははっと笑いながら、このあと自らが立つ予定のステージを見つめる、藤井くん。
その顔は、これから立ち向かう未来への希望と、闘争心に満ち溢れて････
「････似合ってるよ、すごく」
舞台を指差して言うわたし。
あの虹色に煌めく舞台は、他の誰のためのモノでもない。
７人しか、立てない場所。
７人で、立つべき場所だから。
すると藤井くんは、少し照れくさそうに笑って言った。
「しっかり見ててや、俺らの晴れ舞台！」
．
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のの - とても面白くて引き込まれます！！更新されるの楽しみにしてます！！ (2018年11月1日 16時) (
レス) id: 365eb0a412 (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - Momijiさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると、作ってみてよかったなぁと思えます( ´艸｀)亀更新ですが、これからもぜひ見てやってください！ (2018年9月23日 14時) (レス) id: 5e11c879ce (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - たたろんちーの。さん» コメントありがとうございます！見てすぐ直させていただきました。言われなければいつまでも気づかなかったかもしれませんε-(´∀｀; ) (2018年9月23日 14時) (レス) id: 5e11c879ce (このIDを非表示/違反報告)
Momiji(プロフ) - とても感動して 一気に読んでしまいましたw これからも楽しみにしてますヽ(*´∀｀)ノ (2018年9月20日 12時) (レス) id: 2e55428159 (このIDを非表示/違反報告)
たたろんちーの。 - 47が2つありますよ！ (2018年9月19日 22時) (レス) id: 095122a28b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カンナ | 作成日時：2018年9月19日 17時
