Can't stop toxic ２

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Your side





わたしが大阪に来て、６日が経った。




芸能人に興味がなく、存在すら知らなかった彼らのストイックさに驚かされて、心が揺さぶられるような感覚に陥って。



朝から晩までずっと稽古を見ていても、飽きることはなかった。









わたしが夜の世界に入ったとき、「この仕事は女優と同じだから」と言われたことを、よく覚えてる。





ドレスに着替えてフロアに立てば、そこではもう「藤堂A」ではなくて。




セイラという役名を与えられた、女優。





なるほど、と納得したわたしは、ずっとそのつもりでやってきた。



スイッチを切り替え別人になりきることが楽しかったし、心地いいとさえ思えた。






でも、彼らがこれから立つ場所、立ち向かっていくものは、そんなもんじゃない。




フロアの舞台なんか比べられないほど大きな大きな場所で日本中、いや世界中に注目される。





そのプレッシャーは、一般人のわたしには到底計り知れないし、想像もつかない。




テレビの中で笑顔を振りまくアイドルをバカにしていた自分を恥ずかしく思い、それと同時に


やっぱりわたしのようなド素人が彼らと一緒に働くことは出来ない、と確信した。









「でもせっかく来たんやしさ、初日見てから帰ってや！約束やで！」



何度もそう言ってくれたのは、シゲと呼ばれるとても騒がしい男の子。





「悪い、ちょっとこれ預かってくれん？俺、すぐ物なくすねん」



藤井くんはイケメンなのにどこか抜けていて、そのギャップがなんだか面白い。





「あかん、腹減った！一緒に飯食おうや！」



気を使ってか、さりげなく声をかけてくれるのは、ムードメーカーな桐山くんで。





「なぁなぁ、ちょっとこれ見て？すごない？」



神ちゃんと呼ばれる彼はとてもダンスが上手くて、人間離れした動きをよく見せてくれた。





「Aちゃんは、釣りとかせぇへんの？」



なんて、何気ない話をしてくれる濱田くんは、とても優しいお兄ちゃんで。




そんな濱田くんに、いつもじゃれついている小瀧くんは、まだ高校生なんだとか。





「････････おっきい犬みたい」





わたしが思わず呟くと、なぜか嬉しそうに




「せやろ？」




と言って、笑った。







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