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第56話 認めたくない ページ6

放課後、しょうこと共に渋谷に遊びに来ている




大量の買い物袋をお互い手に持ちながら
次はどこ行こうか?なんてしょうこに顔を向けた矢先





「ん」





なんて顎で示される喫煙所





…あんた未成年では?





2人並びながら、しょうこがタバコに火をつけ
肺に溜める、そんな様子をただじっと見つめていれば
なんだか私も久しぶりに吸いたくなってきた





『ねぇ、1本貰っていい?』




「…あんた吸えんの?」




『え』





現世では昔吸っていたけど
前世では吸ってなかったのか





これはまずいと思いつつ
興味本位でさ、と濁せばふーんなんて
1本差し出したタバコを受け取った





口に咥え、火をつけようと
しょうこに借りようしたその時





ボッ





「どうぞ」





とライターの火を差し出し、
タバコを咥えた傑がそこにはいた





『…手慣れてんね』




「そんな事ないよ」




『天然タラシかよ』




「気が利くって言って欲しいな」




なんて笑う彼に頭の片隅で
以前見た夢の記憶だと思い出す





「夏油、あんた1人?珍しいじゃん」





「いいや、悟と女の子達を引っ掛けててね」





なんてチラリと意味深に私を見る傑に





『ふーん?で、悟どこにいんの?』





なんて当たりを見渡す私に傑が少し
驚いたように目を丸くした





「……あそこだよ」





指で示された場所に目を向ければそこには
鼻をつまみながら
不愉快そうに私達を見る悟が。





あいつタバコ嫌いなんだ
意外だな





なんてぼんやり悟を眺めながら
タバコの灰を落とせば、嗅ぎなれた匂いが
私の鼻についた





この匂いって____






『マルメン?』





「よく分かったね、昔から愛用してるんだ」





そう言って笑った傑に
私はぴしりと固まった






なんで、現世での私は傑と
同じ銘柄を吸ってたんだろう





たまたまか?





いやそんなことは無い。





"記憶というのは思い出せなくても体が覚えてる"






『…何よ、もう』






私は記憶に無かったとしても、何百とある種類の中で
これを選んでいたのはきっと






「なんかお前顔赤くね?」





『っさい、行くよ悟』







( 認めたくない )







本能的に彼を求めていたからなんだろう

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莉乃(プロフ) - すごく面白いです〜!!もう、大好きです❤️♥️❤️続きを楽しみにしています。 (2022年3月2日 11時) (レス) id: d96deb1772 (このIDを非表示/違反報告)
- 続きを楽しみにしています! (2021年9月2日 23時) (レス) id: 9779f450eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:xoxo | 作成日時:2021年8月10日 0時

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