どえすな社長 。

＃２９「おとまり？」 ページ30

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窓に雨が当たる音がする。







「ん、急に降ってきたね」



『そーだな』






午後６時。早退してきたからこの時間帯に家にいることが珍しく思える。



…なにより珍しいのが樹が家にいること。




はあ、とため息をつくと樹が寄ってきた。






『雨強くなってきたな』



「そだね、…早く止まないかな」






偏頭痛持ちのわたしは、雨の日になると頭痛がやばい。



…なるべく頭痛は避けたい、んだけど




ソファにふたり、並んで座ってテレビを見る。




あー近い。近い。



こんな距離で緊張してんのにキスとかわたし！すごい勇者…





どきどき。ばくばく。





あー心臓がやばい。もう…潰されそうな感じ。








『…何かお赤くさせてんの。』



「ひえっ」






そんなわたしに、樹がからかうように耳元で囁いてきた。






「ちょっと樹、、やめてよ」



『ん、まだお腹痛い？』



「今はちょっとマシかな」



『そ。よかった。』







…心配してくれるなんて優しいな。



樹って、いじわるだけど、たまに見せる優しさで惹かれちゃうよ。






「樹って…ずる」



『え、何が』



「なんもないよ」



『えー！』







くだらない会話をしていても雨は止まない。




…てか激しくなってる気がする。




雨がより一層強くなってきた。家の中にいるからか今日は頭痛がしない。








「雨すごいね」



『おれ、こんなか歩きで帰んの？きっつ！』



「あ、じゃあ泊まってく？」






こんな雨の中、帰るなんてあまりにも気の毒。



風邪でも引かれたら困るし。






『え…いいの？』



「え、逆に良くないの？」







なぜかオロオロしてる樹。何がそんなに不安なのか。






『え、だって俺…そんなん理性抑えられない』



「…抑えても抑えなくても、今日はアレの日って言ってるでしょ。」



『あっそっか！！まじで無理おれの欲が満たされない』






ブーブー文句を言う樹。




…まあ今日アレの日でよかった。心の準備がまだだったし。






「先にお風呂はいってきて」



『ここはレディーファースト！』






変なとこでレディーファーストを使う樹。



じゃあ、お言葉に甘えて。とお風呂に入る。







…はあ。今日はなんか急展開。



ていうか…わたしたち付き合ってるんだよね？



え、やばい嬉しいっていうか。


なんかこみ上げる気持ちが…ぴんくのきもちが…






抑えられん！！！




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