#19「数年前から」 ページ20
.
「社長…はな、して…!」
『離さない。ずっとこうしたかった』
ぎゅうっとさっきより強く締め付けられる。
涙が滲みそうになった。
「なんなの…何がしたいの!」
わたし、社長の言動すべてに期待しちゃいそうになるから。
もうこの辺でからかうのはやめにして。
でも、そんな気持ちとは裏腹に、抵抗はしない。自分でも理由はわかってる。
『ほんっとに覚えてないの?』
「え…?なに、…」
問いかけられた質問に、わたしの思考がぐるっと回った。
覚えてる?
何を、どこを、誰を。全てがわからなくなる。
「なんのこと」
『俺はお前のこと、8年前からずーっと覚えてる』
「へっ、?」
8年前から…って、…16の頃からってこと?
16。華々しい高校一年生デビュー。
その当時の思い出を蘇らせる。
…
「ねえ、なんで泣いてんの?」
今とは違って少しギャルらしい見た目のわたし。
金髪。ピアス。かと言ってそこまで濃くないメイク。校則違反だらけの見た目。
1年B組の金髪には気をつけろ。
周りからはそう言われて、問題児扱いされた。
そんなわたし、ある日自動販売機の前で泣いてる少年発見。
思わずそう言った。
『ひっ…や、ヤンキー…!!』
怯える彼。
「ちげえよ。ヤンキーみたいに金巻き上げたりしねえから。」
言葉遣いは荒いけど、わたしはそう言って手を差し伸べた。
『…あ、ありがとうございます』
手を繋いで立ち上がらせる。
「何年?」
『1』
「お、同いじゃん。」
『もしかして…1のBの…鈴木…っ!!』
「そだよ。君は?」
『たっ田中…』
キーンコーンカーンコーン
「なんて、聞こえなかった」
『ご、ごめん!授業始まるから!!』
「へ、ちょまって!!」
走り去ってく少年。なんだこいつは。
まあ、面白そうなやつ。明日も喋りかけてやろーっと。
.
.
(続きます ▶▶)
.
1295人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽむりんこむ - yukina♪さん» 私と歳もあまり変わらないですね、自己ベスト出せましたか? (2019年10月8日 20時) (レス) id: 6385c24a4a (このIDを非表示/違反報告)
yukina♪ - 明日陸上本番なんですよ!出来れば自己ベスト出せるように頑張ってきます! 作品楽しみにしてます♪ (2019年10月2日 22時) (レス) id: bc786ab589 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむりんこむ - I LOVE sixTONESさん» 作品のシリーズ一覧で飛べます (2019年9月20日 20時) (レス) id: 50ff4b13a1 (このIDを非表示/違反報告)
I LOVE sixTONES - ぽむりんこむさんへ 小説移行できません!! 確認してみて下さい。 あと、応援してます! (2019年9月18日 15時) (レス) id: ee4aafbc89 (このIDを非表示/違反報告)
yukina♪ - はい!応援してます! (2019年9月15日 22時) (レス) id: bc786ab589 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぽむりんこむ | 作成日時:2019年8月6日 19時