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ふっかから連絡が来たのは、数日前のオフの日のことだった。

fk「照を見つけた」

その言葉を聞いた時の衝撃は、あの時照が居なくなって以来だったかもしれない。
10数年もの間忘れたふりをしてしまい込んでいた思い出が一気に蘇ってきて、嬉しくて走り出してしまいそうだ。

けれど、電話口のふっかの声は、ただ嬉しいだけじゃない、何か複雑な思いを抱えているような感じがした。
だから、俺もつとめて冷静に聞き返す。

「あいつ、今どうしてんの?」

ふっかは電話の向こうで一瞬躊躇ったが、やがて何かを決意したようにゆっくりと言葉を発しはじめた。

fk「職を探してる。詳しくは本人から聞いてほしいけど、結構辛いこともあったみたいだし、ご両親も亡くなって、あいつ今1人なんだ」


そりゃ、なにも言わずに突然いなくなるなんて、よっぽどの事情があるのだろうとは思っていたけれど、それでも改めて言われると切なくなる。
ずっとそんな状況に一人で耐えてきたのだとしたら、今更昔の仲間に会うのは辛かったんじゃないか。それどころか、もしかしたらあの時から、照は俺たちのこと恨んでいるんじゃないか。

さっきからふっかの歯切れが悪いのは、そういうことなのか?


だけど、俺のその心配は杞憂に終わった。

fk「照、俺たちの思い出すごく大切にしてくれてた。
だからってわけじゃないけど、俺、舘さまやみんなにどうしても頼みたいことがあるんだ」


そのとき、リビングでうたた寝ぶってた翔太がひょっこり顔を出した。

nb 「電話、誰から?」

「ああ、ふっかから。ちょっと待ってな」

それを聞いた翔太は、俺の手からぱっと携帯を取り上げると、自分の耳に当てた。

nb「もーふっか、せっかく涼太と一緒なのに邪魔すんなよぉ」

(なっ…!)

焦った俺は、やっとこさ翔太から携帯を取り返したものの、言葉が出てこない。
一方のふっかは、俺たちのこんなやりとりにはもう慣れっこな様子で平然と喋る。

fk「翔太も一緒かよ。ちょうどいいや、今から会えねぇ?その時に、さっきの話の続きさせてもらうわ」

横を見ると、翔太がぷくっと膨れながらも頷いている。
俺は了解と返して電話を切ると、そのほっぺにぷすっと指を立てて呟く。

「照が見つかったってさ」

.→←かわらぬ仲間



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作者名:わかめ | 作成日時:2020年1月15日 1時

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