僕たちの帰る場所 (ページ42)

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sk side

だがそこは我々随一の頭脳派、すぐに真面目な顔に戻って質問する。

ab「でも、どうして俺たちを撮ろうと？」

kj 「実は、前にふっかさんからみなさんの写真を見せてもらったことがあるんですけど、すごくカッコ良くて、雰囲気も良くて、これはいい宣伝になると思いました。
もちろんお店や料理自体も素晴らしいですけど、どうせならそれにまつわる皆さんのエピソードとかが一緒の方が絶対面白いです。
それに何より、皆さんが楽しんでいる姿を見せることで、このお店のコンセプトが効果的に伝わると思います」

話を聞いていると、案外…と言っては失礼だけど、深く考えられた作戦らしい。

ab「うん、なんか説得力あったかも」
kj「ありがとうございます。僕ふっかさんにはすごくお世話になったんで、何でも協力させてください」

こうして、SNSでの宣伝は採用となり、康二くんは開店準備に合わせてどんどん写真を撮っていった。

テーブルセッティングをするふっかと俺、壁にグッズを飾る翔太、パソコンに向かう阿部ちゃんに、並んで試作をする照と舘さま、その試作メニューをワイワイ食べている集合ショット…

動画の方も、阿部ちゃんの的確な食レポ動画から舘さまが無駄にフランベするだけのシュールな動画まで幅広くアップされ、順調に再生回数が伸びている。

もちろん、店自体への注目度も高まり、オープンが迫る頃には『開店楽しみにしています』なんていうコメントもつくようになっていた。

まさに作戦勝ち。康二くんには感謝しかない。