. ページ36
ab side
迎えた3日後。
俺たちは緊張の面持ちでレンタルキッチンの脇に座っている。
そこに、ふっかが滝沢さんを連れてやってきた。
fk「本日はよろしくお願いします」
その言葉を合図に、みんなで頭を下げる。
fk「はじめてのメンバーをご紹介します。こちら側から渡辺、佐久間、こちらが料理を担当しています宮舘、そして、バー担当の岩本です」
『滝沢です。宮舘さんはホテル、岩本さんはバーでの実務経験があるということでしたね。今日は期待しています』
dt「では早速。こちら、前菜の牡蠣のオリーブオイル漬けと自家製ローストビーフのサラダでございます」
『いただきます』
いつも冷静な舘さままで、珍しく余裕がなさそうだ。一方の滝沢さんは、ゆっくり噛みしめるように食べるものの、その表情からはどういう評価をしているのか読み取れない。
その後、オムレツ、アボカドフリット、アクアパッツァとお洒落メニューが続き、最後にいよいよパスタが登場した。
dt「パスタは昔からみんなに振る舞ってきた得意料理で、僕にとっても思い入れの強いメニューなんです。それから、滝沢さんはペペロンチーノがお好きと伺ったので」
舘さまがそんなことを言うから、滝沢さんが待機組の俺たちに視線を向ける。俺たち、特に滝沢さんのペペロンチーノ好きをバラしたふっかは照れ笑いだ。
しばらくして、フォークを置いた滝沢さん。
みんなが固唾を飲んで、発せられる言葉を待つ。
『ご馳走様でした。とても美味しかったです。
素材にこだわり、それを最大限に生かそうとしている。すごく丁寧に料理に向き合われているのがわかりましたし、あなたの不言実行の姿勢が料理にも出ているように感じました』
とりあえず、料理の方はOKということだろう。
一安心ではあるけれど、料理を食べただけでそんなことまで見抜いてしまうなんて、滝沢さん恐ろしや…
みんなも同じことを思ったのか、照に視線が集まる。
iw「絶対に大丈夫だ。待ってろ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 954人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わかめ
| 作成日時：2020年1月15日 1時
