僕たちの帰る場所 (ページ35)

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ab「ということで、3日後、融資担当者の方が来ます… 急な話で申し訳ない」
fk「とりあえず当日は調理用のスタジオおさえたから、悪いんだけど、舘さまと照、お願いできるかな」

ふっかと阿部ちゃんの報告によると、融資の話は試食会という形で俺と照に飛び火したらしい。
予定外のことではあるが、久々に見ず知らずの人に振る舞う料理ということで、気合が入る。

「なんかリクエストとかあるの？」
fk「舘さまパスタ得意だよね？もし作るなら、ペペロンチーノがお好みだって。肉魚は何でも大丈夫っぽいけど、キノコ類は苦手みたい」

iw「いつの間にそんなんつかんだんだよ」
fk「営業慣れしてるからな」

「了解、メニュー開発自体はもう家で始めてるから、その中から出すもの考えてみるよ」
iw「俺も大丈夫。そういうことなら、出すものはもう決まった」

え、今出すもの決まったって言った？
阿部ちゃんも俺と同じ疑問を感じたらしく、照に聞き返す。

でも、照は不敵に笑うだけだった。

iw「まあ、楽しみにしといてよ」

何だろう、気になる。
ふっかが知ってるかなと思ってちらっと顔を向けたけど、その期待も虚しく、アメリカのアニメみたいに肩をすくめられただけだった。

まあとにかく、俺は俺で3日後に向けて頑張らないと。
とりあえず、また翔太に味見係でも頼もうか。