3つの夢 ページ15
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「意外だった。あの話に翔太がすんなり納得するなんて」
ふっかが帰ってまた2人になった家で、俺は翔太に投げかける。
nb 「なんだろ、図星突かれちゃった感じでつい。ふっかとはB型どうしツボが一緒なのかな…ってのは冗談で、あいつ俺らのことよくわかってるんだろうね。てか、涼太も一緒に照に会いに行くことにしちゃったけど、良かったよね?」
「俺はまあ、この話好都合って言えば好都合だし」
そういうと、翔太はニヤリと笑った。
nb 「やっぱりねー。涼太、今のホテルは経営陣が変わってから、あんまりいい料理が作れなくなったってよく愚痴ってたもんね。」
そう。
料理の趣味が高じてホテルのバンケットに就職したものの、最近変わった経営陣が求めるのはコスト減ばかりで、正直プロの料理人としての情熱を失いかけていた。
だから、自分の店を持って、そこで納得のいく料理を作ることは、実は俺の密かな夢でもあったんだ。
でも、今のところ夢は夢のままで、実際に何かしているわけではなかった。というか、そんな夢があるなんて話、翔太にしたことはなかったはずなんだけど…
nb 「あれ、なんで知ってるんだろうって思ってる?
そんなん、なんとなくだよ。ダテに20何年も一緒にいるわけじゃないんだから。
涼太、俺のことよくわかりやすいって馬鹿にするけど、自分も相当だからな?」
ああ、そっか…
やっぱり俺は翔太に勝てないみたいだ。
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作者名:わかめ | 作成日時:2020年1月15日 1時