ねえ、ジュノン。

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「あ、待たせてごめんね、」




「怪我無いですか？！」




「え？どうし…」




「セリナに何されましたか」




「いやジュノン、大丈夫だよ」




「お嬢、」








ジュノンの様子がおかしい。



私の声が届いていない。



私の肩を掴んで、今までに見た事のない焦った顔をして見つめてくる。







「ジュノン、ジュノンてば」




「…え？」




「大丈夫？」




「あ、俺」




「私は平気。セリナさんにも何もされてないよ」




「あ……」




「心配させてごめん。でもほんとに、」









途端、ジュノンに抱き締められた。




ぎゅううううって効果音が付きそうなくらい、しっかり。








「え？！」




「良かっ……た」








ジュノンが耳元で静かに囁いた。




背中に回された手が微かに震えている。




ジュノンが震えるなんて、私すごい心配させて…








「ごめん、ごめんジュノン、」




「…俺も焦りすぎました」




「ごめんね」




「いや……無事で良かった、本当に」








後頭部にジュノンの手が添えられる。




ドキドキして堪らなかった。










「そ、そういえばさ、見てよこれ」




「…ん？」




「刺青も入れ終わったし、着付けとメイクしてくれて！今写真も撮ってもらってたんだ。セリナさんって多趣味だね」









彼からゆっくり身体を離し、背中を向ける。



今は少しでもジュノンに落ち着いて欲しかった。








「っ、」








ジュノンの指が背中を伝う。




セリナさんになぞられた時より、ゾクゾクした。

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