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102:自覚する気持ち ページ46

静かな声で笑う姉様に、
私は何も言えなかった。

答える事が出来なかったんだ。

姉様の言う通り、
きっと私は斎藤さんに付いて行く。

でも、何で斎藤さんに付いて行く?

発作があるから?
変若水を飲ませてしまった責任があるから?

それだけじゃない気がするけど、
それが何のか、私には分からなかった。




千鶴「何も言わないっていうのは、
肯定してるのと同じ。でしょ?」

A「……うん。
きっと私は、斎藤さんに付いて行く…、と思う。
でも姉様みたいに、ちゃんとした理由が言えないんだ。
何で斎藤さんに付いて行きたいって思うのか、
私には分からない…」

千鶴「Aは隔離された世界で生きてたからね。
仕方ないと思う。
私もそういうのには疎い方だけど、
Aよりはマシだってはっきりと言えるよ」




姉様は何が言いたいんだろう?

疎いって何に?
私よりマシって何が?




千鶴「……Aはさ、
斎藤さんが新選組を離れた時、何で泣いたの?」

A「……まさか、
斎藤さんが新選組を離れるとは思ってなかったから?」

千鶴「何で疑問形なの?
今は私しかいないんだし、はっきり言っていいんだよ?」

A「……寂しいなって、思ったから。
いなくなっちゃうって思ったら、不安でしかなかった…」

千鶴「何で変若水を飲ませたの?
Aなら、その人の意思を聞いてからじゃないと
飲まさなかったじゃん」

A「生きて欲しいかったから。
斎藤さんがこの世から、
私の目の前からいなくなるのが嫌だったんだもん…」

千鶴「フフッ。
Aは斎藤さんが好きなんだよね?」




私が、斎藤さんを…、好き?
確かに好きだけど…。

その好きは、何?
他の人への好きと、何が違うの?




A「姉様、最近の私はおかしいんだ…。
ほんの少しの優しさを向けられただけで無駄に喜んじゃったり、
もっと近くにいたいって思ったり…。
もう自分の気持ちが分からなくて、
自分の気持ちに追いつけなくて…。
どうしていいか分からない…」

千鶴「Aってさ、馬鹿なの?」

A「……馬鹿って、酷いなぁ」

千鶴「それを恋って言うんでしょ?
今朝だって、御下がりの結い紐を貰っただけで
馬鹿みたいに喜んでたくせに。
いい加減気付いたら?自覚しろ!」




分かんないよ。

今まで恋なんて出来る環境じゃなかったもん。


ずっと頭領を務める者として生かされてた。

村の鬼も、
他の鬼も私を次期頭領としてしか見てなかったから。

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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 斎藤さんと恋仲になって欲しいです。 (2020年5月24日 22時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年9月19日 7時

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