検索窓
今日:6 hit、昨日:13 hit、合計:77,079 hit

**** ページ39

きっと土方さんは、
今回の戦は負けると思ってる。

それでも立ち向かうのは、
全部近藤さんの為、新選組の為なんだ…。




土方「それで?
お前は何で遅れて来たんだ?」

A「天霧君と互助の話をしていましたので」

土方「はあ?!
いつの間に来てやがったんだ!」

A「普通に来ましたよ?
確かに門からは入って来ませんでしたけど」

土方「今度から、
ちゃんと門から入って来いって言っとけ!」




そんな事言っても、
門からなんて入って来ないと思うけどな…。

かつて敵だった鬼たちが来る事はいいんだ。


フフッと笑うと、
頭を小突かれてしまった。




千鶴「A!斎藤さんが発作を起こしてる!」

土方「行ってこい。
俺の話は終わってるからな」




軽く一礼をして、襖を開けて外へ出る。

「部屋にいるよ!」と言う姉様の言葉を頭に入れ、
焦る足を動かして廊下を走った。


斎藤さんの部屋の前に来ると、
中から呻き声が聞こえる。




A「大丈夫ですか?!
すみません、遅くなってしまって」

斎藤「いや…っ、すまない…っ」

A「無理はしないでください」




額に大粒の汗の玉を作りながら、
斎藤さんは胸を押さえて座り込んでいた。

斎藤さんの前に跪いて、
懐から短刀を取り出して渡す。

震える手でそれを受け取ると、
覆いかぶさるように凭れ掛かってきた。


斎藤さんの吸血は耳たぶ。

見えないようにするにはとてもいい場所なんだけど、
あの感覚だけは慣れなくて、
寧ろ、回数を重ねるごとにあの感覚は敏感になっていく。


チクッとした痛みが走り、心する。

心するんだけど…。




A「ふぁ…っ」




やっぱり慣れないー!!
しかも変な声出たー!!


口を片手で抑え、
もう片方の手で斎藤さんの着物を握った。

しばらくすると荒い息も治まり、
肩に顔を埋めるように項垂れて
頭と肩に置かれていた手は腰に回っている。




A「大丈夫ですか?」

斎藤「ああ…」




大丈夫だとは言っているけれど、
斎藤さんが離れる気配はない。

まだ体が辛いのかな?


この状態を拒否する理由もないし、
近くに斎藤さんの臭いを感じられるから、
この状態もいいかなと思えてしまう。


………思えてしまうって何だー!!

自分の感情に追いつけない。
この感情は何なのだろうか…。




斎藤「あまり、煽るような声を出すな。
抑えられなくなる」

A「……?」




斎藤さんの言っている事が、
私には分からなかった。

100:断髪→←99:本音



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (21 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
66人がお気に入り
設定タグ:薄桜鬼 ,
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

斎藤ようこちゃん(プロフ) - 斎藤さんと恋仲になって欲しいです。 (2020年5月24日 22時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まほろ | 作成日時:2019年9月19日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。