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99:本音 ページ38

広間へ一度引っ込んだ土方さんは、
書類やら地図やらを
いっぱい抱えて出てきた。

今にも落としそうなんだけど…。


その一部をおもむろに渡されて、
慌てて手を伸ばしたのだけど、
少しだけ落としてしまった。




土方「ちょっと来い」

A「ええ?お説教なら嫌ですよ?」

土方「お前は、俺が
いつでも怒ってると思ってやがんのか?」

A「今は目つきが怖いです」

永倉「ハハハッ!言うねえ!」




あの雰囲気のままが嫌だったから、
冗談でも言って笑おうと思ったんだ。

土方さんに付いて歩き、部屋へと入った。




土方「そこに地図を広げて置いてくれ」




言われた通り、地図を畳の上に広げて置き、
他の書類は文机に整理しながら置いた。

達筆な字で書かれた書類

土方さんの字の物もあれば、
違う人の字の物もある。


書状とかなんだろうな…。




土方「これから俺たちは戦になる。
それにお前も加勢して欲しい」

A「もちろんです。
皆さんの為になるなら、私は喜んで戦いますよ」

土方「喜んで戦われても困るんだがな」




地図の上で陣の場所、
部隊の配置などを話した。


何で私に、そんな重要な話をしてくれるんだろう?

不思議に思ったけど、
口を挟まず頷きながら意見も出した。

戦での私の役割は、
陣での近藤さんの護衛。

大将をやられるわけにはいかないから、
かなり重要な役割だと思う。

それと土方さんは、いつどんな事が起ころうとも、
私だけは冷静を保って欲しいと言ってきた。




土方「近藤さんはお前より無茶しそうだからな。
その時は、近藤さんを止めてくれ」

A「近藤さんが、無茶?止める…?
まるで負けを予想しているように聞こえますよ?」

土方「……はっきり言って、
苦しい戦いになると俺は思ってる。
それでもやらねえと、
近藤さんを押し上げてやる事ができねえからな」




土方さんも沖田さんも、
いつも近藤さんの為だ。

ここにも、変わらない人がいたよ。


それが安心要素の一つでもあるんだけど。




A「土方さんは、
この戦に何を思っているんですか?」

土方「何が言いてえんだ」

A「こうなって欲しいとか、こうなりたいとか」

土方「んなもんねえよ。しいて言うなら、
近藤さんが満足のいく戦をしてやりてえとは思う」
だがな、それは俺の願望なだけであって、
戦況がそれに応えてくれるとは思えねえ。
たとえそれが負け戦だと言われたとしても、
俺たちは引くわけには行かねえんだよ」

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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 斎藤さんと恋仲になって欲しいです。 (2020年5月24日 22時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年9月19日 7時

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