【薄桜鬼】純血を巡る者５ (ページ29)

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ちー君たちは満足そうな、
それでいて
晴れ晴れとした笑顔で去って行った。

時代は移り変わる。
それは新選組も同じ事で、近い将来、きっと…。

ううん。
まだ終わったわけじゃない。

私が出来る事があるなら、
私が変えられる事があるなら。

私は、この人たちの為に体を張ろう。
そして、この人たちに悔いを残させないよう努めよう。

それがきっと、私の役目。

斎藤「互助精神とは、何だ？」

A「鬼の掟に"互助精神"というものがあります。
簡単に言ったら、
困ってる鬼が、助けて！と言ったら助けましょう。
って事です。
その掟にはもう一つ。
請け負った者が利益を求めてはいけない。
ちー君たちが互助を受け入れたという事は、
ちー君たちは無利益で私を助けなければいけない。
と、いう事です」

千鶴「そんな掟があったなんて…」

A「姉様は知らないと思う。
これは頭領または、当主だけが使える手段だから」

土方「それは、いつまで続くんだ？」

A「申し出た者が"互助の解除"を求めるまでです。
物凄く都合のいい掟ですよね。
それでも鬼は小さな世界で暮らしている種族ですから、
そのような甘い掟がないと
滅ぶのを待つしかない鬼もいるんです」

井上「つまり、A君が
それを申し入れたという事は…」

A「間接的にはなりますが、
ちー君たちは新選組と手を組む事になりますね」

フフッと笑うと土方さんは頭を抱え、
姉様は驚いているのか
口を閉じるのを忘れてしまっている。

斎藤「だから、ずる賢いと…」

A「そういう事です」

土方「はぁ…。
お前は機転が利くっつうか、なんつうか…。
あぁ、もう！なっちまったもんは仕方ねえ！
今更後に引く事も出来ねえ。
お前の言いてえ事がよぉく分かったぜ。
使えるもんは使わせてもらう。いいな？」

A「もちろんです！」

土方「まずは撤退だ。大坂城へ向かう。
仕切り直しだ！
新八や原田たちは先に向かわせてある。行くぞ」

そして私たちは京を離れ、
近藤さんや沖田さんがいる大坂城へと向かう事になった。

数年だったけど、
この京にはたくさんの思い出があって離れがたい。

だけどこれから先、
私たちの未来にはまだまだ
たくさんの出来事が待っているはずだから…。

先に向かって、未来に向かって歩こう。

そして私は、絶対に誰一人として死なせはしない。

絶対に！守り切ってみせる。