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93:三人目 ページ23

どうか、ちー君に会っていませんように。
どうか、無事でいてくれますように。


天霧君との会話の中、
心の中で祈り続けていた。




天霧「A、遅かったようです」




そんな祈りは儚くも散り、
龍雲寺に続くであろう山道には、ちー君が佇んでいた。

その前には血だらけで、
今にも倒れそうな斎藤さん。

すぐに降ろしてもらい、
斎藤さんを庇うように前へ出る。




風間「……何をしに来た」

A「ちー君を止めに来た。何を怒ってるの?」

風間「こやつらに預けたのは間違いだった。
それだけの話だ」




怒りに満ちた声音。

ちー君の、こんな声を聞いたのは初めてだ…。




天霧「私は戻ります。
A、先ほど言った事を忘れないように」

A「分かってるよ。ありがとう」




天霧君は浅く一礼すると、
風のように去って行った。

それを見届けてからもう一度、
ちー君に目線を合わせながら大通連を抜いた。




風間「ほう。俺と戦おうというのか」

A「戦う気なんてない。
ちー君と戦う理由がないもん」

斎藤「何故、来た…。
奉行所は、どうなったんだ…」

A「周りの敵は、
平助君と一緒に何とかしました。大丈夫です」




斬られた傷なら、私の血で…っ!?

駄目だ。
斬られてもいるが、刺されてもいる…。

口から流れている血は…、吐血したの?!


怒りに似た何かを目に宿し、ちー君を睨んだ。




A「あれは私が悪いの!
なのに、何で新選組の人たちのせいにするの!?」

風間「預けた以上、
どんな理由があろうと守り切る事が使命なはず。
それが出来なかった。
こやつらの責任であろう」




今は、何を言っても駄目か…。

それなら先に、斎藤さんの傷をどうにかしないと。
このままでは、斎藤さんが…っ!


私の後ろにいる斎藤さんは
刀を地面に突き刺して倒れないよう耐えてはいるが、
意識は朦朧としている。

体に突き刺されたであろう刀傷は内臓をも貫いていた。


それを見て、
懐に忍ばせていた変若水を静かに取り出し、
斎藤さんの前に置いた。




斎藤「……っ!」

A「このままでは死んでしまいます。
お願いします。飲んでください」

斎藤「それは、出来ん…っ、
あんたが、命がけで作ったものを…、
俺は使えない…っ」

A「何を言ってるんですか!
使わないと、死んじゃうんですよ?!」

風間「Aの変若水を使ってまで
生きながらえさせる必要などない。
そのようなゴミ虫に、変若水など使う価値はない!」

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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 斎藤さんと恋仲になって欲しいです。 (2020年5月24日 22時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年9月19日 7時

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