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A「擽ったいです。
でも、やっぱり斎藤さんの手は
安心できますね」

斎藤「……っ」

A「戻ってきてくれた事、嬉しく…っ?!
斎藤さん?」




触れていた頬から後頭部へと移動させ、
引き寄せて抱き締めた。


あ、危ない…。

思わず顔を近づけてしまいそうになってしまった…。


腕に感じるAの感覚。
手に触れる頭と腰の感覚。


不謹慎かもしれんが、至福だ…。




斎藤「しばらくまた任務で屯所を空ける。
俺の事情を知らない隊士たちからすれば、
俺は伊東派から出戻りしたようにしか見えないだろうからな」

A「なるほど。そうですよね…。
でも、戻って来られるんですよね?」

斎藤「ああ。ほとぼりが冷めれば戻ってくる。
それが任務の終わりだろう」

A「良かったです。
戻って来られないと、寂しいですから」

斎藤「あんたはまず傷を治せ」

A「はい。頑張ります」




腕を放し、Aと向き合うように座る。

相手が見えていないと思うと、
案外大胆に出来るものなのだな…。

それに頼らなければ出来ないとは、俺も情けない。




斎藤「戻ってきたらまた、あんたの隣の部屋だ。
その時はよろしく頼む」

A「はい!こちらこそ、よろしくお願いします」

斎藤「俺は、もう行くとしよう」

A「お気を付けて。
戻って来られるのを、待っていますね」

斎藤「ああ」

A「いってらっしゃい」




"いってらっしゃい"か…。

聞き慣れた言葉なのに、
今はともて暖かく感じる。


Aの頭を撫でて、盆を持って立ち上がる。

剣に生き、剣に死ぬ。
それが本望と信じ、そう決めていたはず。

だが、今は死ぬのが惜しいな…。

任務は全うする。
しかし、生きる為に任務を全うしよう。

俺の生き方すら変えてしまうなんてな。
惚れたが最後…、か。


フッと鼻で笑いながら屯所を後にした。

89:二人目→←****



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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 斎藤さんと恋仲になって欲しいです。 (2020年5月24日 22時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年9月19日 7時

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