ラブレターの行方 2

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『ただいまぁ』



家に帰ると夕方からビールを飲んでるお姉ちゃん



「おっかえりー」



すでに出来上がってる



『もう酔ってるの？』



「いいじゃん！今日は休みだし
お母さんもお父さんも結婚式に行くらしくて
いないんだって〜
ピザ取ろうよ！電話して〜」



『はいはい。ピザ好きだね』



酔っ払いに絡まれても今日は全然ウザくない



幸せ満載だからね



「なにニヤニヤしてるの？
なんかいいことあった？」



『まぁね』



「なに？言ってみ？聞いてあげるから
っていうかAそんなパーカー持ってたっけ？」



『彼氏のパーカー借りたの』



「はぁ？彼氏？だれ？」



『北山くん！』



「おぉ！結局気遣いの男にいったかぁ
良かったね、まだAの事好きでいてくれて」



『超幸せなんだけど！』



「あっそ。早くピザ頼んでよ
半分はプルコギ味にしてね」



『もう、自分で頼んでよ〜』



「いいじゃん！幸せなら動け！
お姉ちゃんは毎日働いて大変なの
彼氏もいないし会社にイケメンもいないし
廃れた生活を送ってるの！
あっビールもう一本冷蔵庫から持ってきて」



働く女性は大変らしい…………



結局私はお姉ちゃんにビールを渡し



ピザを頼んだ



「そのパーカーめっちゃオシャレだね
私も着たい！」



『ダメ！』



「ケチ〜」



『洗濯するのなんかもったいないなぁ』



北山くんの温もりや匂いが消えちゃうから



「北山くんの匂いが消えちゃう〜とか
思ってんじゃないよ………このリア充が」



『えっ？私、口に出てた？』



「言わなくてもわかるよ、姉妹なんだから」



本当にお姉ちゃんにはかないません



「でも結果的にラブレターが間違って
届いて良かったね」



『えっ？』



「だってあの間違いがなかったら
北山くんと付き合う事はなかったんでしょ？」



『確かに！』



あのラブレターの間違いがなかったら



きっと私たちは付き合ってない



巡りめぐって私のラブレターは



ちゃんと届くべき人に届いたみたいだ





fin

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