雨と私と捨て猫と

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「ただいま」



驚きと恐怖で心臓が止まりそうになる



『なんで…………』



義父はゆっくり私の部屋に入ってくる



私は怖くて後退りした



「A…………Aの為に早く帰ってきたよ」



『部屋から………出てください！』



私は必死に大きな声を出した



「そんな大きな声を出しても
今日は誰もいないよ？」



じわじわと近づく義父



「君のお母さんは本当に優しくていい女なんだ
でも若さが足りないんだよ」



『若さ………』



「Aは可愛くて若くて………
ずっといいなって思ってたよ」



そういって私をベッドに押し倒した



『やめて！』



私は持っていた携帯を顔にめがけて投げつけた



「痛っ」



すると顔を殴られた



「なんのためにアイツと結婚したと思ってるんだ
高校生の子供がいるからに決まっているだろうが！」



『いやっ！』



抵抗しても力には勝てない



『妹やお母さん、あなたの会社に言います！』



「言ったところでそんなこと誰が信じるの？
それに君から誘われたって言うことだって
できるよ。お母さん悲しんじゃうよ？」



私は着ていたシャツを破かれた



『やめてー！！』



「抵抗してもムダだよ」



私はとっさに左手に持っていた
防犯ブザーの紐を引っ張った



ビービービー



思っていた以上の爆音が鳴り響く



かなりの音量に義父はひるんで私から手を離し
ブザーを止めようとした



この音量ではマンションでは近所迷惑



苦情が来るレベルだ



私はその隙に落ちてる携帯を拾い玄関に走る



片方のスニーカーに足を入れた時
後ろから「待て」という声が聞こえた



恐怖から振り返る事ができなくて
必死に玄関のドアを開けた



外に漏れ出したブザーの音



『助けて！』



誰でもいい気付いてほしくて叫んだ



エレベーターでは捕まってしまうかもしれない



階段を駆け下りてマンションの外に出て逃げた



必死に走って走ってたどり着いた所は



ミツさんの家だった

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