雨と私と捨て猫と

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「お待たせ！好きだね〜編み物」



放課後に委員会の仕事があった沙織を
待つ間に最近激はまりの編み物をしていた



『すごい楽しいの！だいぶ長くなったでしょ？』



練習で作っている手作りマフラーは
半分くらいの長さになった



「さぁ、新しく出来たクレープ屋さんに行こう」



『うん！』



私は作りかけのマフラーをカバンにしまい
教室を出た



「最近、早川先輩の家に行ってるの？」



『うん。2週間に1回くらいのペースで行ってる』



「そうなんだ」



出会ってから半年くらい経っていて
もう何回もミツさんの家に通っている



『美雨と遊んだり編み物と料理教わったり
してるんだ。教えてもらう代わりに
畑にある小屋の片付けしたり
おばあさんの肩揉んだりしてる
最近本当に楽しいの』



おばあさんもミツさんも
私を温かく迎えてくれる



「ずいぶんおばあさんと仲良くなったね」



『私にはお婆ちゃんはもう居ないから
本当のお婆ちゃんみたいで嬉しい』



「早川先輩とは？」



『美雨の事とかおばあさんの事で
たまにLINEするくらいかな？
おばあさんに会いに行ったら一緒に
ご飯食べて必ず送ってくれるけど………』



「送ってくれるんだ！優しい〜」



『あっ……この前、少しだけ勉強教えてくれたの
本当に優しくて………』



「勉強教えてくれたの？かっこいい〜！
それで好きになっちゃって困ってる感じ？」



『困ってる訳じゃないけど………』



「告白したらイケんじゃね？
いくらおばあさんと仲良いからって
嫌いな女とご飯食べたり帰りに送ったり
しないんじゃない？」



『そうかなぁ？最初は見かけは怖そうって
思っだけど、今はみんなに優しい事は
わかったから私だけに優しい訳じゃ
ないと思うよ』



「十分Aだけに優しいと思うけどね」



『うーん……』



私はかっこよくて優しくて勉強も
スポーツも出来る人を好きになってしまった



手に届かないような人を
好きになってしまったんだ

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