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ある日、Aを夜中に呼び出した。
久しぶりに会うのがよっぽど嬉しかったのか、頬をピンクにし、ニコニコしながら車に乗り込んできた。
こんなにも可愛いいやつを抱きしめることも出来ないまま、別れをつげなければいけないなんてな。
あいつは、理由もきかず、分かったと。
さすが…愛おしいほど、従順なオンナ。
大丈夫かと心配だったので、同じラップするアイドルとしてかわいがっているスンチョルに、駐車場に迎えにくるように連絡していた。
これからは、こいつの涙を拭うのはオレじゃねえんだなと、悔しくて悔しくてたまらなかったけど、スンチョルに任せて帰った。
Aを手放し、落ち込む時間もない位に忙しい毎日だったが、ふと、寝れない夜もくる。
そんな時はあびるように酒を飲んだ。
年が終わりに近づいたあの日も、宿舎で飲んでいたが、どうやら、思いの外、飲み過ぎてたんだろう。
「ヒョン!血だらけだよ!なにしてんだよ!」
とジミんに叫ばれ、自分が耳を怪我をしていることに気がついた。
傷の痛みなんて分からないほど、心のほうが苦しくて、痛くてしょうがなかった。
怪我は意外と酷かったらしく、オレだけ、年末の歌謡祭は全て欠席することになった。
ナマのVanillaを見逃すのがもったいない気もしたが、やはり、申し訳なさから、会わずにすんでよかったと思った。
メンバーには、Aに会っても何も話すなと強く言っておいた。
メンバーには、別れた時は、ずいぶん責められた。
ヒョンがそんな男だったなんてガッカリだ、オレが貰えるものなら貰いたい、何も知らされず捨てられたAの気持ちが分かるのか…
色々言われたけど、何だかんだ言っても、メンバーたちは、傷ついたオレを支えてくれた。
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みんと(プロフ) - ユウ様、ありがとうございます❤︎ (2022年7月21日 20時) (レス) id: 99f878486c (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 完結お疲れ様でした。続編楽しみに待っています! (2022年7月19日 19時) (レス) @page48 id: 78115a07d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みんと | 作成日時:2022年7月9日 12時