百花繚乱《JUMP》

4-1 -Kota main- ページ35

(3-15の続き)



薮side



大したことないと軽くあしらったが、笑えない程痛みが酷くなり、
高木に「すまん、先帰る」とだけ伝えて、車から降りてすぐ部屋に戻った。




後はメンバーに任せよう。


平静を装っていたから大事にはなってないはずだろうし、山田とかがすぐに察して仕切ってくれるはず。



部屋に戻ってすぐベッドに転がった俺は、そんなことを考えながら眠りについた。




・



翌朝、



目が覚めるとベッドの上






…ではなく、床に横たわっていた。



視界に入るのは、散乱した物や家具。




あぁ、久しぶりに派手にやったな…


と半ば諦めながら、最低限の整理をする。



以前は全て元通りにしていたが、それも面倒臭くなった。





俺はお腹にある傷痕が痛むと、それを合図に

もう一人の俺になる。



その時の記憶は一切無い。




おじさんはこの事を知っているが、メンバーには打ち明けることが出来ず、ほとんどが知らない。






…それに、俺にはもう一つ秘密がある。





俺の能力は、時を操る能力







…ではない。





時空が歪んだり、色々と厄介だからいざと言う時にしか使えない、

と言って今まで何度も逃げてきた。




だが、そろそろ限界だ。



一人で部屋にいる夜中にしか訪れなかった痛みが、もっと早い時間に、あろう事かメンバーといる時に襲ってきたのだ。


マリオネットもじわじわと動き出しているし、
これ以上足を引っ張る訳にはいかない。










俺の本当の能力は＿＿＿

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