百花繚乱《JUMP》

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高「のりくん、もう夜だしそろそろ帰ろう。」



の「もうちょっと…」



高「のりくんもしっかり休まないと。
病気になったらお見舞いに来れなくなるぞ？
また明日来よう。な？」



の「…分かった……。」




名残惜しそうなのりくんを連れて、病室を出ようと扉に手をかけたその時、





知「ちょっと待って雄也！
ひなこちゃんが……」






絶妙なタイミングでひなこちゃんが目を覚ました。





の「ひなこちゃんっ…！」





ひ「の……り……く………」





酸素マスク越しに聞こえたひなこちゃんの声は、とても弱々しかった。





ひ「……だ……れ…………？」




の「この人ゆうや。ゆうやたちがひなこちゃんを助けてくれたんだ。」



高「いや、俺達はできることをしただけだ。ひなこちゃんを助けたのはのりくんだよ。
ひなこちゃんを病院へ連れていくために、一生懸命走って何度転んでも探し回っていたんだ。」




すると、ひなこちゃんは優しく微笑んだ。




ひ「…あ……り……が……と………」




のりくんに向かってゆっくりあげたひなこちゃんの左手を、のりくんは優しく両手で包み握った。







ひ「………だ…い……す…き……」









か弱い笑顔から一筋の涙が零れた＿＿

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