縛り ページ28
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「漸く逢えたな、呪縛師」
悠仁の顔に黒い紋様が浮かび上がっている。
これが、宿儺…
さすがは呪いの王といったところか。呪力の圧が半端ない。肌がひりつくような、そんな呪力。
『…面識ありましたっけ私たち』
「いや。小僧との訓練を見ていてな…お前に興味が湧いた」
そう言いながら近くにあった椅子に腰掛け足を組む宿儺。
興味を持たれるようなことをした記憶が無いのでとりあえず睨んでおく。
「そう身構えるな、少し話がしたかっただけだ」
『少し話がしたくてコンクリートにヒビは入らないと思うけど』
「ただの挨拶だ」
『(ただの挨拶ね…)』
「ふむ」と頬杖をついて私の頭から足まで一見した後、「お前、他人と縛りを設けたことはあるか」と質問を投げてきた。
『…ない。っていうか、何が言いたいのか知らないけど、今悠仁と特訓中なんで早めに戻ってもらえます?』
「なるほど」
『(後半の部分は完全無視かよ)』
「空藏美玉だな」
『……どういう意味』
「零式とやら、上手く使いこなせていないだろう。相伝の術式なら範囲は術者が指定できるはずだ」
『…だから俺と縛り設けてみるか、とか言うつもり?』
「話が早くて助かる」
『そんなリスキーな話乗るわけ』
「俺が小僧と代わっている間、それとこの縛りを他言しないことが条件だ」
『最後まで人の話を聞けよ』
「どうする」
『どうするも何も、そっちには何のメリットもない』
「こちらが了承してさえいればなんの問題もないからな、メリットは必要ない」
『裏あるだろ絶対』
「人の好意は素直に受け取った方が良いぞ。試しに今やってみろ」
『だから信用できないって』
「信用できるかどうかは、零式を今ここで使ってみればわかる」
『……呪力、すぐ回復するって約束して。代わってるとは言え悠仁の身体だから』
「わかってる」
宿儺がそう言うと、両手で零式の印を組む。
『術式減転 零式』
術式を発動させると、感じていた呪力のうち宿儺の呪力だけがフッと消えるのがわかる。
「できたな」と言い呪力を回復させる宿儺。
「そろそろ戻るが、どうする」
『…なんでこんなこと』
「理由はない」
『…………じゃあ』
「成立だな…他言すれば罰を受けるのはそちらだと言うことを忘れるなよ」
一方的にそう言い残すと、すぐに悠仁と代わった。
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麗葉 - 最高すぎます!続き行ってきます!(((((((((((っ・ω・)っ ブーン (6月24日 23時) (レス) @page49 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
あんパん(プロフ) - 安仙任さん» ありがとうございます!!頑張ります!! (2021年2月20日 11時) (レス) id: 543e9be939 (このIDを非表示/違反報告)
安仙任(プロフ) - とても面白いです!続きを楽しみにしてます!これからも頑張ってください(^^) (2021年2月19日 16時) (レス) id: 80f06437e4 (このIDを非表示/違反報告)
あんパん(プロフ) - 枕野れいさん» うわああ!!ありがとこございます!嬉しいです!!頑張ります! (2021年1月5日 21時) (レス) id: 543e9be939 (このIDを非表示/違反報告)
枕野れい(プロフ) - 女優さんのお話の方から来たのですが、まさか呪術廻戦書いてくださるとは!!応援してます! (2021年1月4日 20時) (レス) id: 7b5f3ba3ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんパん | 作成日時:2020年11月12日 17時