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38. ページ40

Aside

硝「っA!!!!」

目を覚ました瞬間、硝子が私に抱きついてくる。


『え、え、硝子.....?』

そうだ、私、伏黒甚爾(あいつ)と戦って
それで_________

硝「良かった...本当に良かった......」

『硝子が、治してくれたの....?』


受けた傷は少ないけど、その全てが致命傷だった。


硝「いや....」

そう言って硝子は前を見る。


そこには、私の術式...
呪霊・紫の上が心配そうにこちらを見ていた。

彼女は呪霊と言っても回復専門で、戦闘向きではない。
でも、あの時の私は死を覚悟した。
意識を手放しているから、術式も使えないはずなのに...


夜「...恐らく、お前を助けるために呪具の縛りを解いて自分の意思で顕現したんだ。
もしこの呪霊が術式をかけていなければ、
.....俺達が到着する前にお前は死んでいた。」

『夜蛾先生.....』

もう一度、紫の上を見る。

『...ありがとう。紫の上。
貴方がいてくれて、本当に良かった。
...命の恩人だね、』


ふふ、と笑いかけると、彼女は安心したように顔の緊張を緩め、霧のように消えて行った。


『硝子も、本当にありがとう。
...無茶させちゃったね、いっぱい休んで。』

硝子の鼻下には血の痕があった。
顔も青白く、相当無理をさせてしまったとわかる。

硝「...いや、Aが帰ってきてくれから、だから、
私はそれだけでいい。」

そう言って笑う。

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作者名:綾ゞ | 作成日時:2020年12月4日 20時

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