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37. ページ39

夏「Aっ.....!!」

まっすぐ、Aの元へ駆け寄る。


硝「夏油...!無事だったのか、」

夏「いや、そこの呪霊が反転術式をかけてくれたんだ。」


先程の呪霊は、硝子と同時にAに反転術式をかけている。

ふと、夏油は足元に広がる血の量に怯む。

硝「...外傷は少ないんだ。
右肩に1つ、左腿に1つ、そして胸に1つ。

胸は刀で一突きだよ。悟と一緒だ。
残りの2つには、相当な強さの毒を受けてる。」

こんな強い毒、人間に使うような代物じゃない。と硝子は呟く。


夜「この呪霊、Aの意識とは関係なく出てきたのか...
Aを助ける為に」


そう、Aが意識を手放してすぐに、呪霊・紫の上は自らの意思で、顕現した。

硝子達が到着した時には、
毒の巡りは抑えられ、胸の傷は完全に塞がっていた。


夏油はAの手をとり呼びかける。
夏「A、目を覚ましてくれ、A...!」


硝子の鼻から、ツーと血が滴る。

夜「!硝子、無理はするな。
架橋は抜けてる。一度戻ろう、」

そう言い止ようとした夜蛾を、硝子は振り払う。

硝「っ嫌だ、!治療は続ける...!

...容態が急変するかもしれない、
それに悟を迎えに行けるのはAと夏油しかいないんですよ...!」


乱雑に鼻を拭う。
A、Aお願いだから帰ってきて...
涙目になりながら、震える手で術式をかけ続ける。

後にも先にも、彼らが硝子の取り乱した姿を見たのはこの時だけ。

__________________

少しして、2人は解毒をすることに成功した。
硝子が矢で受けた傷を治す。

ピクッ
夏油に握られた手が動く。

みんなに見守られる仲、彼女はゆっくり、目を開ける____

『み、んな.....?』

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作者名:綾ゞ | 作成日時:2020年12月4日 20時

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