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｢…なにここ…公園の横にこんな場所あったの？｣
見慣れたはずの景色が突然
異世界に足を踏み入れたようにガラリと変わって
戸惑う私に
なんとなく誇らしげな表情をした洸太が手招きする。
洸太｢姉ちゃんこっち｣
｢…え｣
茶色いお洒落な扉に躊躇いなく手をかけて
息をつく暇も与えないまま
その手を引いた。
暗闇に慣れていた目が痛くならないほどの優しい木漏れ日に包まれて
心地良い鈴の音とコーヒーのほろ苦い香りが
身体中を伝っていく。
扉を開けたまま入口で立ち止まってしまうほど
レンガ調でレトロな店内の雰囲気に圧倒されてしまった。
だけど…
いつの間にか私の何倍も大きくなっていた洸太の背中が
ぺちゃんこになったリュックを嬉しそうに揺らして。
思考をなくしたみたいにぽーっと見とれていた私の頭を呼び起こすように鼓膜に響いたその声に
ちょっと本気で、
心臓が
止まるかと思った。
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ココロが
泣き叫びそうだった。
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和｢またお前か(笑)｣
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洸太｢うっす、昨日ぶりっす(笑)｣
和｢毎日毎日飽きねぇなお前も…つかドア開けっぱじゃ･･･｣
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和｢…｣
｢…｣
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和｢…中瀬…？｣
｢…、｣
和｢なんでアンタが…｣
｢…にの、みやく…ん｣
和｢…｣
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2週間前に会った時と同じ
色素の薄い目。
目にかかるくらいの長さの、柔らかそうな髪。
あの日から何度も頭の中で繰り返し再生されていた
｢中瀬｣って
私を呼ぶ声。
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もう会うこともないって思ってた。
どこか虚しい気持ちになるのも、時間が経てばまた元通りになるって
タカを括っていた。
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洸太｢え、姉ちゃんとニノさん知り合い？｣
和｢…姉ちゃん…？｣
｢…｣
あんなに穴だらけだったはずの虚無感が一気に埋め尽くされて
この2週間ずっと求めていた何かが
今の一瞬で怖いくらい満たされていくのを
他人事みたいに感じていた。
本当だったら必死に、そうならないように止めるべきなのに
それすらしようとしなかった私はきっともうずっと…
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こんな日を
待っていたんだ。
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和(プロフ) - (名前りんさん» りんｻﾝ、コメントありがとうございます！(*´ω`*)うわぁ、前作から…嬉しいです。有難いです。(´；ω；`)こちらも、前作に負けないくらい切なくするつもりなので(笑)、引き続き楽しんで頂けると嬉しいです！更新頑張ります(^^) (2020年4月24日 19時) (
レス) id: 1efda7f877 (このIDを非表示/違反報告)
和(プロフ) - ひろこさん» ひろこさん、コメントありがとうございます(^^)わーい、めちゃくちゃ嬉しいです！甘酸っぱい青春…私も大好物です(笑)そんな青春を思い出して貰えるようなお話にしたいと思うので、また是非よろしくお願いします(*´ω`*人) (2020年4月24日 19時) (レス) id: 1efda7f877 (このIDを非表示/違反報告)
(名前りん(プロフ) - 新作も前作に引き続き大好きです！更新楽しみにしてます！ (2020年3月31日 17時) (レス) id: c02e8af171 (このIDを非表示/違反報告)
ひろこ(プロフ) - この甘酸っぱい感じ。大好物です！和さんの作品、大好き！ (2020年3月28日 8時) (レス) id: 7819f221c3 (このIDを非表示/違反報告)
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