この人たち、どうにかなりませんかね「青葉城西」

どうにかして22 ページ25

花巻side



花巻「ごめん、待たせた？」



今日は珍しく、Aと帰ることに


なった


誘ったのは俺、及川や岩泉達に


取られるのが嫌だっただけなんだけど



「大丈夫です、帰りましょう！」


にこっと俺の大好きな笑顔で笑う


自然と目がAの手に行く


すぐ、近くにいるのにな



ほんの少し動かせば届くのに



花巻「お前も大変だよなー」


「へ？何がですか？」


花巻「アレだよ」


「あー、アレですか」


アレで納得すんのな

こいつはそこまで鈍感じゃないし


まぁ気付くだろう


本当に困ってる感じで


はぁ、とため息をつく



なぁ



ここで俺が告ったら



お前はもっと困るよな


どうすれば良いか分かんなくなって


また、1人で泣くんだろ？



「……好き」


花巻「…………は？」



確かに、そう聞こえた言葉


いや、ないない



空耳だな、うん



そうだ、空耳だ




「なんて、冗談です！口にしたら、
何が分かるかと思って…」


慌てて誤解を解くA


分かってはいたものの、やっぱ

結構来る…



花巻「お間は、国見とお似合いだと
思うよ」


「へ！？」




普通に、そう思う


認めたくねぇけどな


なんで、そう思わなくちゃいけねー

んだよ


ただ学年が違うだけだろ？


それだけで、こんなに違うのかよ



俺だったら、もっと…




なぁ




花巻「俺に、しとけよ」


「え、あ、あの！」



花巻「……なーんてな！冗談」


苦しくなって


切なくなって




つい本音を言い出してしまいそうに


なった



でも、俺は誤魔化した



「も、もう！酷いです！」


花巻「さっきのやり返しだ」



そんな風に怒ったお前も


綺麗なその笑顔も



全部、好きだ




花巻「俺も、腹くくらないとな」


「何なんですかもう」

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