another atory「side マイキー」 ページ8
____君の亡骸を、抱いていた。
「A…っ」
鼻を突く鉄の香りが、
君の色を掻き消す。
段々と掠れゆく鼓動は、
君の終焉を唄っていた。
枯れた心を食べた。
頬を暖かな雫が濡らした。
君の温度がやけに冷たくて。
「………」
「……ッ」
目が合った。
君は、安心したように笑い、
眠るように瞳を閉じた。
なにも、言わずに。
「く、そ…ッッッ!!!」
行き場を失った虚しさが、
ぽろぽろと落ちていく。
冬の寒さが嫌なほど肌にしみて、
溶けては消える雪は、まるで君のようだ。
「う、ぐっ…A……っ」
「ヒナ……くそっ、ごめん………ッ」
「A…っ、場地さんに怒られるの、
オレなんスよ……ッ」
_______もし君が本当に雪なら、
一年後にはまた出逢えるのに。
…なんて、願うオレは愚かだろうか?
たとえこれが最善策だったとしても、
オレはワガママだから。
・
きっとオレは、
・
一生、君を許せないな______。
・
『………わたしを、殺して』
『____バイバイ』
・
そんな寂しいこと言わないで欲しかった、
なんて。
ねえ、今更だ。
「………おやすみ、」
愛しい君に、最後の口付けを落とした。
・
某月某日、よくある物語の最終幕。
そんな、なんてことない日が終わった。
another story「オレの幸福理論」→←another story「カゲロウデイズ」
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!!!(プロフ) - おいどんさん» ありがとうございます!楽しんでいただけてなによりです!そうですね…続編はまだ悩むところですが、過去のお話はありかもです!かける時に少しずつやってみようかと思います!ありがとうございました♪ (2021年9月28日 11時) (レス) id: cbd2d135ba (このIDを非表示/違反報告)
おいどん - なんか最後の方涙で全然見えなかったけど、すごく面白かったです!!続編めちゃめちゃ見たいです!!真一郎と両思い?だった時の世界線もみたいです!!! (2021年9月28日 1時) (レス) @page9 id: e404c70624 (このIDを非表示/違反報告)
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