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そうして1時間半ほど彼と話をしながらお酒を飲んだ。
お酒なんてなくてもジョングクとの話はいつも盛り上がるけれど、お酒があると更に私たちの会話は盛り上がった。
けれど今日はこないだよりも遥かに酔っ払っているのが自分でも分かった。
「………グク」
JK「ふふ、なに、ヌナ」
「もうちょっとこっちきてよ」
JK「え?もっと?」
少し離れた彼との距離がなんだかもどかしくてもっと私の近くに寄って、と彼に言う。
けれどちょっと前にも私はそう言って彼を私の近くに寄らせていたから、ジョングクはとても困惑しているようだった。
普段の私なら絶対にありえないことだけど、酔っているってほんとに怖い。
「……嫌なの?」
え?もっと?なんて目を丸くして、一向に私に近づいてくれない彼にそう問う。
JK「…嫌、なわけないけど。
でもちょっとさすがに近すぎるかな、とか…」
しどろもどろそんなことを言うジョングク。
一向に今の距離から近づかない距離感に我慢できなくなった私は、自ら彼へと距離を詰めた。
「えへへ」
更に近くなった彼との距離に満足して、思わず笑顔になる。
けれどそんな私とは対照的に、
JK「…………あー、もう。」
ジョングクはそう言って大きくため息をついた。
それを聞くと、酔っていた思考回路が一瞬すっと覚めた。
…まって私調子のりすぎたかも…
そう焦っていると、
JK「ヌナ、いいですか?
そんなこと俺以外にしたらだめですよ」
「…え?」
ジョングクはなんだか余裕がなさそうな顔で私を見つめながら、そんなことを言った。
JK「ヌナ?」
「………あの、はい。分かった」
JK「うん、いい子。」
何がなんだか分からないまま返事をした私に、ジョングクはいい子、と言って私の頭を撫でた。
これじゃあほんとにジョングクの方が年上じゃん…
「…なんか、ジョングクの方が年上みたい」
JK「ふふ、まだそれ言ってるの」
「だって、」
JK「…ヌナは、ほんとに可愛いね」
愛おしそうな目で彼は微笑んだ。
彼のそんな表情と言葉は、私の心臓の鼓動を速くするには充分すぎた。
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作者名:ナノカ | 作者ホームページ:
作成日時:2020年3月31日 19時