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鳥のさえずる声がアラーム代わりになって目を覚ました。
やっぱり続きを見てる…
私が今日見た夢はやっぱり昨日の夢の続きだった。
彼と離れなきゃいけなくなった私の心情が痛いほどに伝わってきた。
それはまるで自分が体験したことかのように。
溢れる涙を拭うけれど、やっぱり拭っても拭っても止まることはない涙に、またか…なんてそう思う。
正直若干慣れてきてはいた。
起きたら流れている涙も、毎回彼のことを覚えていないという事実にも。
けれどこの状況自体に慣れたとしても、毎回襲ってくる悲しみや切なさには一切慣れることはなくて、むしろ日が経つごとに夢の中の私たちに感情移入しているのを自分でも分かっていた。
でも毎日この夢を見るのはしんどいな…
これも本音だった。
その夢が私にもたらす悲しみは計り知れなくて、毎朝目覚めからそんな気持ちで1日がスタートするのはしんどというのが正直なところだった。
とりあえず彼から届いているであろうカトクを確認しようと携帯を開く。
…あれ、珍しいな。
『今日はありがとう、無理言ったのに会ってくれて嬉しかったです』
別れた直後に届いた彼からのカトクに、
『こちらこそありがとう!
また会えそうなとき教えてね』
そう返したのだけど、珍しく彼からその返信がきていなかった。
…さすがに昨日疲れたから寝ちゃったのかな。
そう思って返信を待っていたのだけど、彼からの返信はそのあと丸2日経っても届くことはなかった。
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作者名:ナノカ | 作者ホームページ:
作成日時:2020年3月31日 19時