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あのあと結局ジョングクに何も聞けないまま彼とは別れた。
次に会う約束はもうしていたけれど、彼と離れるのはとても心苦しかった。
好きだから少しでも一緒にいたい。
そんな気持ちに加えて、私に何かを言おうとしていた彼の姿が更にそれを助長した。
…どうしてあのとき聞かなかったんだろう。
後になってそう後悔する。
なんだか、彼と一緒にいるときの私はまるで私じゃないみたいだった。
今まで人並みには誰かのことを好きになってお付き合いなんてものもしてきたけれど、こんなに恋焦がれるような気持ちも、自分が自分じゃないようなそんな気持ちも全てが私にとって初めてだった。
…今別れたばかりなのに、もう会いたい。
確かにグクはずっと好きだったアイドルの1人。
けれどそれはこの気持ちと全く関係ないように思う。
ジョングクのことが好き。
そう実感した時に思い浮かぶのは、私と過ごしてきたときのジョングクだけだった。
もちろんBTSとしてのジョングクも大好きだけど、その好きとは種類が違うんだと思う。
彼のことが好きだと思うときにアイドルのジョングクが思い浮かぶことはなかった。
次会えるのは3日後か…
3日後。
忙しい彼のスケジュールを考えると私のために無理して時間を作ってくれていることも、それが次会えるまでの最短の期間なことも分かる。
それなのに、その3日後すらも遠く感じてしまう私はもうどうしようもないぐらいに彼に惚れているんだと思う。
ジョングクに次会える3日後のことを思いながら、私は少し冷えたベッドで眠りについた。
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作者名:ナノカ | 作者ホームページ:
作成日時:2020年3月31日 19時