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あのあとジョングクとまた少しお酒を飲んで、だいぶ酔いも回ってきたところでジョングクは宿舎へと帰っていった。
明日も朝から仕事あるって言ってたし、ほんとに彼らは大忙しだ。
私はというとジョングクが帰ったあともしばらく余韻が抜けずに、彼がプレゼントしてくれたブレスレットを馬鹿みたいにずっと見つめていた。
「はあ……」
今日自覚してしまった想いに思わずため息がこぼれる。
いや、今日自覚したっていうと嘘になるけど…
ほんとはずっと気付いていた。
彼を思うと高鳴る心臓も、胸を占めるこの温かな気持ちが何なのかも。
実際、最近彼ら7人を見ているとき、テヒョンペンであるはずの私が一番に探すのはいつの間にかジョングクになっていた。
あれ？テヒョン、テヒョン。
そう思って一度テヒョンに目を向けるけど、気が付けば私の目はまたジョングクを追っていた。
…分かりやすすぎるでしょ、私。
けれどそれを認めてしまうのはとても怖くて。
彼の態度からしても、私に好意を持ってくれていることは分かっていた。
そしてきっと過去の私とジョングクの間に何か大事なことがあったことも、それを私が忘れてしまっていることも。だけど私はそれをいつまで経っても思い出せない。
けれど一番の理由はそれではなかった。
アイドル。
ジョングクは世界中で愛されるアイドルだから。
そんな人を1人の男の人として好きだと認めるのはとても勇気がいることだった。
住む世界が違う。
応援してもらえる恋じゃない。
彼のことを好きな人はこの世にたくさんいるというのに。
そんな思いから彼への想いに気づかないふりをしていたわけだけど、そんなことを言ってられないほどに私の彼への想いはいつの間にか成長していた。
「はあ……」
これからどうするの私。
先が見えない未来を想像してまた大きなため息がこぼれる。
けれどジョングクがくれたブレスレットが視界に入って、私の表情はまた緩んだ。
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作者名：ナノカ
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年3月31日 19時
