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69 【JK】 ページ19

【JK side】





あ、これまずいな。





喉元にぐっとこみ上げてくるもの。

そして目頭を熱くするものを感じてそう思った。






ヌナはテヒョンイヒョンのファンだっていうから、俺からしたらそれが面白くなくて俺の好きなところを教えてよ、なんて少し意地悪なことを言ってみた。





本人目の前にしてそんなこと言うのは恥ずかしいって分かってたけど、どうしても聞いてみたくて。




正直テヒョンイヒョンの好きなところなんて聞いても俺は嫉妬に駆られるだけだし。








歌声とかダンスとか、あとは自分でいうのもなんだけど努力を惜しまないところ?とかそのあたりを言われるかな、なんて思ってた。


実際多くのARMYは俺のそんなところが好きだってよく言ってくれたから。








けど渋々答えてくれたヌナの回答は俺が予想していなかったものだった。








「…意外と泣き虫なところ?かな」






…え?そこ?なんで?


ヌナの答えを聞いての俺は疑問しかなかった。






いや、確かに俺はARMYに関することではよく泣くとは自分でも思うけど。






でもほんとにそこなの?

俺の好きなところの一部ならまだ分かった。




けれどこんな状況でそれを一番に挙げたヌナがよく分からなかった。





…こういうときって普通は一番好きなところを答えるもんだよね?







実際ヌナはテヒョンイヒョンの好きなところは純粋なところだと言った。




あの綺麗な外見とか人並外れた表現力とか、きっと好きなところはたくさんあるだろうけど、ヌナはヒョンのあの綺麗な心が一番好きなのだろうと思った。






だから俺はほんとに疑問しかなくて。

そんな俺を見たヌナは更に言葉を続けた。








「そういうところ見てたら、私たちほんとに愛されてるなって思うし…その、守ってあげたいなとか思ったりする」








俺は本当に心からARMYを大切に思ってるし、それが伝わっていたのを嬉しく思った。









けれど、それよりも俺の心を占めたのは、





「守ってあげたい」






ヌナが発したその言葉だった。








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作者名:ナノカ | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年3月31日 19時

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