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きっとジョングクとのことで私は大事な何かを忘れてる。






そう確信したけれど肝心な何を忘れているのかは全く分からなかった。でも私が忘れていることは本当に大切なことだということだけは分かった。






ジョングクの表情や態度が私にそう思わせた。









ジョングクが例の運命の話をしたあと、私たちの間にはなんともいえない沈黙が流れた。






あまりにも突飛な話に、冗談?なんて一瞬思ったりもしたけど、彼がそんな冗談を言う人じゃないことなんてとっくに知っていた。


なぜなら私はARMYなのでね…









だから彼の話は本気だと思ったし、そうなると私は返す言葉が全く思い浮かばなくて。








運命の相手。

ずっと好きだったアイドルの1人にそんなことを言われたんだもん。






頭が働かなくなる私の気持ちも分かって欲しい。









黙り込む私にジョングクは、「困らせるようなこと言ってごめんなさい」と、またあの切なそうな表情で少し笑って私の指に絡めていた指を離そうとした。



…そう、離そうとした。









「あの、困ってなんかないです」









彼が離そうとした手をギュッと握った私によって、その手は離されなかったのだけど。









なんだか私まで切なくなったから。






彼のあの表情を見たくなかった。



そしてただ純粋に、私の手の中から離れていこうとする彼の温もりををまだ手放したくなくて。









そうやって彼の手を引き止めた私を見て、ジョングクは既に大きい丸い目を更にまた少しだけ大きくして驚いて見せたあと、







JK「…ヌナ、ずるいです。

俺もう遠慮できなくなっちゃいます」









思わず私が赤面してしまうぐらいの愛おしさ全開なとろけるような表情でそう言った。









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作者名:ナノカ | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年3月31日 19時

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