カフェオレ、ミルク多めで。

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side 松田



まだ夜明け前、スマホには5:32の表示。


隣には、目も口も半開き状態の愛おしい彼女。



「ふはっ、相変わらずすげえ寝顔」


と言いつつ、やっぱり可愛くて、動画に収める。


俺のスマホにはAの寝顔がたくさんある。Aはブスだから嫌と怒るけれど、俺にとっては可愛くて堪らない。



そんなAの頭を撫でれば、その手に顔を擦り寄せ、幸せそうに笑う。




ほんと、小動物みてねぇだなと思いながら、その辺に落ちていた寝間着をサッときて、ベランダに出る。




Aといる時は、吸わねぇようにしているタバコを出し、火をつける。





…A、やっぱり酔ったら可愛さ増しちまうんだよな、

元々可愛いのにこれ以上可愛くなってどうすんだよ


しかも、対して酒は強くねえのに飲みに行くの大好きなんだよな。


でも飲みに行けねえのは可哀想だし、いっそGPSでも付けるか？



なんて束縛してしまいそうな思考ばかりになり、一旦思考を白紙に戻そうとしたとき、背中に温もりを感じた。





「ん、陣平くん」


柔らかい細い腕を俺の腰に回して抱きついてくるA。




「おはよ、A」


「おはよ、陣平くん暖かい」



そう言って俺に強く抱きつくAを見れば、俺が昨日着ていたシャツしか着ておらず、あまりの可愛さにまだまだできそう。


ではなく、冬の朝、さすがに寒そうでたまんねえ。




中に入ろうと言っても、もう少しここにいたいと言うAにクローゼットからできるだけ暖かいパーカーを持ってきて着せる。



えへへ、ありがと。陣平くんの匂いだあ と嬉しそうに笑うAの横顔に愛しさが溢れて思わずAの頬にキスをする。



頬を抑えてびっくりしたようにこちらを見て、俺の名前を呼ぶA。



「ん、今日もかわい」


「〜っ！ば、ばか！」



Aのばかにはカッコイイの意味も入ってるからその反応に笑えば、ちゅっと可愛いリップ音がなって俺の口からAの唇が離れる。




「へへ、仕返し！タバコの味だ」

「大人の味だろ」

「ねぇ、陣平くんタバコ吸ってるのみたい」

「Aの前じゃ吸わない」

「陣平くんのけち」

と頬を膨らませて、頭を撫でてもまだ頬は膨らんだまま。



かと思えば、今度はまっすぐ前を見て、登ってきた朝日に「日の出だよ！」と嬉しそうに指を指すA。



コロコロと表情が変わる彼女と居ると毎日が楽しくなる。


思わず笑ってしまい、もう一度Aの頭を撫でた。

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