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side 松田
「Aにちゃんと伝えるか」
「あからさま過ぎないようにね、俺から言われて言ったってわかったらまた無理させてるって思っちゃうかも知れないし何より継続が1番!」
「そうだな、それが大事だ!」
萩の意見に同意する班長。俺もそれが最もだと思い、とにかくAに本心からの言葉だとわかって貰えるようにしていこうと思った。
「でも陣平ちゃん、手先は器用なのに恋愛にはほんっと不器用だよね〜」
そう言って笑う萩と、「確かにそうだな」と笑って頷く班長。
くそっと思いつつ、女の扱いに関しては萩の方が1枚も2枚も上手な上に、先程言ったように班長は長年付き合っている彼女もいる。
反論することは出来ず、「悪かったな」と横を向いた。
そこからまた話は変わり、俺はタバコとトイレのために席を立った。
「ねえ無視してないでさ〜、お姉さんこの後俺たちと飲もーよ!」
タバコを吸ったあと、用を足してトイレを出れば扉近くでそんな声が聞こえた。
せめて店の外でやれと思いながらそれを見れば、2人の男と今日は久々に飲み会だと喜んでいた見覚えのある姿。
「んー、やめて、くださいーっ!」
見知らぬ男に肩を抱かれながら弱弱しく抵抗しているのは、Aだった。
「あの馬鹿っ」
「お前、その手離せよ」
男の手を払い除けてAと男達の間に入れば、「じんぺーくん!」と瞳を潤ませたAが俺の服の裾を掴んだ。
「え、お兄さん誰?ヒーロー気取り〜?」
笑ってそんなことを言っている男を少し睨みつければ「ひっ」と怯む。
そして、「人の女にちょっかいかけてんじゃねぇよ」と言えば「すいませんでした!」と逃げていく男達。
「陣平くんありがとう〜っ」
男達に舌打ちをした俺に、そう言って抱きついてきたA。
酒が回っているのか先程から目は潤んでいるし、頬は赤く、呂律も少し怪しい上に、ショートパンツと来た。
「そんな格好で飲みに来んな、心配させんなバカ」
Aの頭を軽く叩けば、「ごめんなしゃい」と謝る。
「あいつらマジ腹立つ!Aもそんな酔っぱらいやがって!」
「へへ、ちょっと怖かったけどかっこいい陣平くん見れて得しちゃったぁ〜」
Aを触られたイライラを募らせる俺に反し、得したと笑うAは自分の可愛さに気づいていない厄介な女だと心の底から思いつつ、
かっこいいと言われて喜ぶ自分も馬鹿だなと改めて感じた。
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或 - ふひひひひ…ってにやけてしまうほど作品です!(気持ち悪くてすみません) (2022年5月30日 21時) (レス) @page20 id: 62feb543dd (このIDを非表示/違反報告)
みょん(プロフ) - ヨアさん» わー!コメントありがとうございます!嬉しいです(><)❤︎コナンになったことで事件増えるの面白いですね笑コナンになるタイミングで書かせて頂きたいと思います! (2022年5月14日 15時) (レス) id: 0e3a4d985c (このIDを非表示/違反報告)
ヨア - 更新楽しみにしてました!!リクエストなんですが、新一がコナンになったことでより増えた事件に陣平が疲れて限界来そうな所、夢主ちゃんが陣平を甘やかす(癒す)ようなものが読みたいです。これからも更新楽しみにしてます!! (2022年5月14日 11時) (レス) @page5 id: 3df9c04991 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みょん | 作成日時:2022年5月6日 4時