ミルクとたばこと甘いもの ページ35
「今日も暑くなりそう…」
外のお花たちに水をあげ、まだ午前なのになぁ、と落ちる汗をぬぐう。
腐ったりしないよね。と一抹の不安を抱えながらお店に戻ると、冷房がひんやりと外気にあてられた肌を冷ましていった。
「やっぱりクーラーの力はすごい…」
文明の利器に癒されていると、常時熱してくる太陽にも負けないベルが涼し気な音をくれる。
「あっちぃー…やってらんねぇぜ」
「…入る傍からうるさいな」
「いらっしゃいませ…諏訪さん、風間さん…!!」
からん、と氷同士がぶつかる様な合図に顔を上げた先。
手で風を送りげんなりした表情の諏訪さんと、それを見上げる風間さんがご来店。
ボーダー隊員の方で、今日もはじめまして。まるでビンゴを開催中の如く途端にテンションが上がってしまう。
光栄だぁ…と拝みたくなる気持ちを抑え、クーラーに息をついた諏訪さん達の元へ。
「いらっしゃいませ。いつもお疲れ様です。お好きなお席へどうぞ」
「お、もしかしてAってお前か?」
「あ、はい。お世話になっております。」
「へぇ、迅がしきりに言うから気になっていたんだ。」
「っ…ありがとう、ございます…?」
なんと返せば良いのか分からなくなりつつお二人にメニューを渡すも、やはり選ばれたのはカウンターでした。
カウンター率の謎の高さが最早不安になってきた。やっぱり何か裏で言われたりしてるのだろうか。
もしかして変な顔してる…?と頓珍漢な不安を募らせながらも、オーダーをこなし提供へと移る。
「お待たせしました。諏訪さん、レギュラーコーヒーとミルフィーユです。シュガーポットとミルクはこちらに。」
「おう、さんきゅ」
「風間さん、チョコレートケーキとミルクです。フォークはこちらに置いておきますね。…それではごゆっくりどうぞ」
「ありがとう」
カウンターに戻ると、ケーキを一口含んだ諏訪さんが見上げる。
「やっぱ他のボーダーの奴らもきてんの?」
お、うめぇなこれ。と素直な感想を下さる諏訪さんが少し可愛らしく見え、緩く握ったこぶしで口元を隠した。
「はい、おかげさまで色んな方がいらっしゃって下さっています。」
「…迅の宣伝効果は絶大だな」
「っふ、そうですね、ありがたいばかりです」
ミルクを両手で持って飲んだ風間さんが頷く。サイズ感といい持ち方といい、風間さんも柔らかな雰囲気が醸し出されている。年上に見えない可愛さはどこか羨ましいなんて思ったりもした。
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ぐりーん@Umi(プロフ) - 黒崎ソラさん» ありがとうございます!頑張らせて頂きます〜! (2016年9月14日 7時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)
黒崎ソラ - 面白かったです!更新頑張ってください! (2016年9月12日 4時) (レス) id: b15a705d85 (このIDを非表示/違反報告)
ぐりーん@Umi(プロフ) - 蜜柑雨さん» わぁぁお褒めの言葉ありがとうございます!!更新頑張らせて頂きます♪ (2016年9月11日 11時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑雨(プロフ) - とっても面白買ったです!!ほのぼの感が最高です!更新楽しみにしてます! (2016年9月11日 1時) (レス) id: 94c773db22 (このIDを非表示/違反報告)
ぐりーん@Umi(プロフ) - setunaさん» わわ、勿体無いお言葉を!!嬉しい限りですありがとうございます(*´ω`*) 18歳組可愛いですよね!頑張らせて頂きます♪ (2016年9月10日 22時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:み | 作成日時:2016年8月17日 15時