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「今日、お休みだったんだね」


再び薄い唇がフォークを隠す様子をちらりと見る。

「はい、さすがに店長さんに休めって言われちゃって」

「ずっと頑張ってたもんね」

「そんな事ないですよ、お仕事楽しいですし」


食事の片手間に弾む会話。手を止め彼の瞳を見ると彼もまた私を見ていて、会話をしているから見てもらえているというのは分かっているが、こんなに近い距離で見つめられるのは心臓に悪い。


それでも、仕事を関係なくゆっくりとお話しできることは初めてで、凄く幸せだった。
躊躇ったけれど、昼ご飯を決意したあの時の私マジでグッジョブ。


ここまでくると宝くじでも当たりそうである。

いや、運を使いすぎているから逆にダメか?とくだらない事を考え次の一口を食べていれば、間食した迅さんはコーヒーを含み顔を上げる。


「今日一人だったの?」


「友達とお買い物行ってて、その帰りです。」


久しぶりに遊べて、お洋服も買えて楽しかったです。とはにかむ私に、それはよかった。とまるで自分の事の様に嬉しそうに笑ってくれる。笑顔が眩しい。

スマイルキラーか何かだろうか、と疑う程紳士の彼は、こんな私の話を相槌を打ちのんびり聞いてくれる。菩薩の様に心が広い…と思っていると、シフトの話へ発展する。


「週に何日くらい入ってるの?」

「…なな…?」

「…。一週間は何日だと思う?」

「…なな…?」


きょと、と傾げた首を更に捻る私にくつくつ笑った迅さんは、そりゃぁ休ませるはずだよ、と肩を震わせた。


「頑張りすぎないでね」


「その笑顔で私はもう何倍も頑張れます…」


「あれぇ。」


再びおかしそうに笑う迅さんと、夏休みが終わったらもう少しのんびりなシフトにするんだよ。というアドバイスから必然的に進路の話へと変わる。


「進路は決まってるの?」


まぁ、3年生の夏休みという大変貴重な時間を週7日アルバイトに費やす私は冷や汗をかくしかないのだが。


「就職…できたら、本望なんですけど」


何一つ決定事項のない将来に、人差し指を合わせ目線を逸らしてしまう。
ボーダーの皆様がいらっしゃる前は無難に企業を探すかと思っていたが、彼らがここに訪れる機会が増えてからは、こうして皆の憩いの場になって支えることができたらなぁ、と思う。


何しろ店長さんのお店なので図々しいことは言えず、ぐだぐだとここまできてついには迅さんにまで心配して頂くといった事態。これは早急に、話をしなければならない様だ。

・→←お休みだけど



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設定タグ:ワールドトリガー , 夢小説 , 迅悠一   
作品ジャンル:アニメ
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ぐりーん@Umi(プロフ) - 黒崎ソラさん» ありがとうございます!頑張らせて頂きます〜! (2016年9月14日 7時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)
黒崎ソラ - 面白かったです!更新頑張ってください! (2016年9月12日 4時) (レス) id: b15a705d85 (このIDを非表示/違反報告)
ぐりーん@Umi(プロフ) - 蜜柑雨さん» わぁぁお褒めの言葉ありがとうございます!!更新頑張らせて頂きます♪ (2016年9月11日 11時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑雨(プロフ) - とっても面白買ったです!!ほのぼの感が最高です!更新楽しみにしてます! (2016年9月11日 1時) (レス) id: 94c773db22 (このIDを非表示/違反報告)
ぐりーん@Umi(プロフ) - setunaさん» わわ、勿体無いお言葉を!!嬉しい限りですありがとうございます(*´ω`*) 18歳組可愛いですよね!頑張らせて頂きます♪ (2016年9月10日 22時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年8月17日 15時

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