ご本人様ですよね。 ページ26
「おやすみ〜」
無事お仕事も終え身の回りの事もこなし、緩い気持ちに逆らわないまま自室へと入る。
ベッドに身を投げスマホを起動させれば、ぽこんぽこん、と溜まっていた通知が次々に出番だと弾ける。
適当にスワイプしてチャットアプリを開くと、「あたらしいともだち」の欄。
確認したいものの緊張しすぎて見れなかった手がようやく覚悟を持ちタップする。
ぽん。と飛び込んできた「迅悠一」の文字。
「っ…ほん、もの…」
何度見ても変わらないそれに、お友達追加を押す手が何度も空を彷徨う。実に滑稽な姿だろう。
「ええい押してしまえ!!」
迷う事はないのに躊躇ってしまう手を無理矢理動かせば、トーク欄には既に来ていたメッセージが表示される。
「Aちゃん?早速失礼します よかったら追加しといて」
開いた先には、可愛い絵文字も添えられたものが送られてきていた。
「じんっ…さ、ん…っ!!」
鼓動も思考も忙しい私は、携帯を手にしたままベッドの上を数回ごろごろと行ったり来たりしてしまいながら、大の字になり深呼吸する。落ち着け本当に。
先程までの心地よい睡魔はどこへやら。欠片も無くなった瞳は完全に昼を告げそうだ。
「とりあえず、既読つけちゃっただろうしお返事しよう」
誰に聞かれている訳でもないのだが、ひとりでに呟いて内容を迷う。
「Aです。追加させて頂きました!ありがとうございます」
散々迷った挙句、絵文字も添え返信する。使ってくれたし、と再び誰かに問われることも無い言い訳を脳内で並べている間に、返信が返ってくる。とても早い。
タップをすれば、追加のお礼と今日は騒がしくてごめんね。としょぼんとしたスタンプ。スタンプ使うんだ、と一人を幸いし表情筋は仕事を放棄する。
「大丈夫ですよ、賑やかで楽しかったです」
寧ろ大歓迎だよぉ、と心の声が漏れているうちに、それならいいんだけれど。と返事。
今ちょうどスマホ触ってたのかなぁ、と必然的に同じことをしている感覚に、鼓動が少し早まった。
そうか、私今、迅さんと同じこと、してるんだ。
画面越しの彼を想像してじんわりと頬が熱をためる。
バイトはお休みだけなの?と問う文に、放課後はシフトを入れている旨を返しそこ数分。
それじゃあ、夏休み終わっても会えるね。
笑顔のわんこのスタンプと共に送られてきたメッセージに、落ち着いてきた鼓動がまた跳ねた。
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ぐりーん@Umi(プロフ) - 黒崎ソラさん» ありがとうございます!頑張らせて頂きます〜! (2016年9月14日 7時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)
黒崎ソラ - 面白かったです!更新頑張ってください! (2016年9月12日 4時) (レス) id: b15a705d85 (このIDを非表示/違反報告)
ぐりーん@Umi(プロフ) - 蜜柑雨さん» わぁぁお褒めの言葉ありがとうございます!!更新頑張らせて頂きます♪ (2016年9月11日 11時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑雨(プロフ) - とっても面白買ったです!!ほのぼの感が最高です!更新楽しみにしてます! (2016年9月11日 1時) (レス) id: 94c773db22 (このIDを非表示/違反報告)
ぐりーん@Umi(プロフ) - setunaさん» わわ、勿体無いお言葉を!!嬉しい限りですありがとうございます(*´ω`*) 18歳組可愛いですよね!頑張らせて頂きます♪ (2016年9月10日 22時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:み | 作成日時:2016年8月17日 15時