隊長さん! ページ20
当たり前じゃないと頭では理解しつつも、何だかんだ言って気になってしまうのが性。
長期休暇中だからこそ丸1日入れるが、学校が始まれば夕方からの数時間しかお店にいる事が出来ない。どうせなら働けるだけ働かせてもらおうと今後のシフトを悩みながらカップを拭く。
ことん、と一つ仕舞い終えた私に知らせるベルの音は今日も綺麗だ。
「いらっしゃいませー!出水さん…と太刀川さん!?」
「やっほ〜Aちゃん」
「ここが迅とお前が散々言ってたとこか。…へぇ、よく俺の名前知ってんな」
ぱたぱたとお出迎えに行くと、出水さんが手を振る。
その後ろをついてくるのはまさかの隊長、太刀川さんだ。勿論話は聞いていたものの、初めてお目にかかる。
「わぁ…お会いできて嬉しいです!お二人ともお疲れ様です、お好きなお席へどうぞ」
やっぱり奇跡だ、と思いながら店内を指し示せば、今回はカウンターでいい?と微笑む出水さんに勿論を告げる。
段々とカウンター率が私の中で更新を続ける。
清ました表情でメニューを見ていた隊長さんは、ある一点を見つめばっと上げた顔はとても輝いて。
「俺コロッケサンドね!」
と、嬉しそうに報告している。この人は本当に20歳なんだろうか。無邪気なところは出水さんと同じくらいに見えてしまう。
「よかったっすねコロッケあって…Aちゃん」
メニューを見つつ適当にあしらう出水さんに笑いを堪えつつお二人の方へ向かった。
「コロッケサンド二つとエスプレッソちょーだい」
「何それ俺もコーヒー飲む…アメリカンでいいや」
「かしこまりました、少々お待ちください」
出水さんのコーヒーのご注文に負けじと頼む太刀川さんは可愛らしい。
ホームページでちらりと見た内はとってもクールで無口なのでは、と思っていたが、案外そうでもないのか気になってしょうがない。
「お待たせしました、お熱いのでお気を付けくださいね」
「ありがと、Aちゃん」
今日も今日とて出水さんの笑顔は眩しい。
「太刀川さん、コロッケサンドとアメリカンコーヒーです。シュガーポッドはこちらです。」
「さんきゅ」
「いえ。ごゆっくりどうぞ」
可愛らしいお礼の言葉と共に、にっと笑う姿。
大人びた余裕を感じたものの、カウンターへ戻ってすぐに、聞いた!?俺の名前呼んでくれたよ!と明るい声が聞こえ思わず頬が緩むのだった。
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ぐりーん@Umi(プロフ) - 黒崎ソラさん» ありがとうございます!頑張らせて頂きます〜! (2016年9月14日 7時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)
黒崎ソラ - 面白かったです!更新頑張ってください! (2016年9月12日 4時) (レス) id: b15a705d85 (このIDを非表示/違反報告)
ぐりーん@Umi(プロフ) - 蜜柑雨さん» わぁぁお褒めの言葉ありがとうございます!!更新頑張らせて頂きます♪ (2016年9月11日 11時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑雨(プロフ) - とっても面白買ったです!!ほのぼの感が最高です!更新楽しみにしてます! (2016年9月11日 1時) (レス) id: 94c773db22 (このIDを非表示/違反報告)
ぐりーん@Umi(プロフ) - setunaさん» わわ、勿体無いお言葉を!!嬉しい限りですありがとうございます(*´ω`*) 18歳組可愛いですよね!頑張らせて頂きます♪ (2016年9月10日 22時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:み | 作成日時:2016年8月17日 15時