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「玉狛早く連れてくるかな…どの時間帯が一番人少ない?」
紅茶を一口含んだ迅さんはしばし考える仕草を取る。
「そうですね。1時過ぎ、くらいですね。ランチが終わってからはひと段落つくことが多いです。…後は午前中ですとか。」
やっぱり目立ってしまうのはどちらもいい気分はしないだろう、と日常を思い返す。何だかんだ言って、お昼時以外は時間の流れは緩い。
「そっか。多分…というより絶対騒がしくなるから、人は少ないに越したことはないと思って」
「っふ、仲良しなんですね。賑やかな空間は大歓迎です」
お心遣いありがとうございます。とはにかむと、想像以上にうるさいと思うよ?とおかしそうに微笑む迅さん。
「きっと楽しくなりますよ。とっても心待ちにしてます」
迅さんや烏丸さんをはじめ優しそうな皆さんが揃ってる玉狛支部。
色んなお話が聞けたら素敵だなぁ、と今から浮かれそうになる。
「そう?じゃあ早く連れてくるね。…今日、サービスは?」
ごちそうさまでした、と手を合わせた迅さんは立ち上がり会計へ向かいつつ、年相応のいじらしい声を零す。
「残念ですが一度きりとなっております」
「ですよねぇ?」
冗談だよ、お値段以上のものもらってるから、と真摯に微笑む姿は格好良すぎて心臓に悪い。
「とんでもないです。サービス…何か考えておきますね」
お客様集客も兼ねて、いい案かもしれない。と顎に手を置き考える私に、本当?と目を丸くする彼。
私と同じような仕草で顎をさすりながら、ん〜、と唇を内側へきゅっと巻き込む。華の女子高生より可愛らしい。
「それじゃあ、Aちゃんの連絡先とかどう?」
答えを待つ私に、ぴんっと人差し指を立てる迅さん。私としては失礼ながらも願ったりかなったりなお願い。帰りに派手に転んだりしないだろうか。
「っえ!?そ、そんなのでいいんですか…?」
「そんなの、じゃないよ。立派だよ〜?次までに用意してくれてたら嬉しいな」
思わず目を丸くする私に、勿論俺にだけね。とウインクを飛ばす。ときめかない方がおかしい。
「っ、善処しま、す」
見惚れて固まってしまい、ぱちぱちと瞬きをした私はようやく理解して何度も頷く。
得意げに微笑み手を振る彼はどこまでも尊い。
「…芸能人じゃん」
ファンサービス過多。と呟く私はしばらくその場を離れられなかった。
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ぐりーん@Umi(プロフ) - 黒崎ソラさん» ありがとうございます!頑張らせて頂きます〜! (2016年9月14日 7時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)
黒崎ソラ - 面白かったです!更新頑張ってください! (2016年9月12日 4時) (レス) id: b15a705d85 (このIDを非表示/違反報告)
ぐりーん@Umi(プロフ) - 蜜柑雨さん» わぁぁお褒めの言葉ありがとうございます!!更新頑張らせて頂きます♪ (2016年9月11日 11時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑雨(プロフ) - とっても面白買ったです!!ほのぼの感が最高です!更新楽しみにしてます! (2016年9月11日 1時) (レス) id: 94c773db22 (このIDを非表示/違反報告)
ぐりーん@Umi(プロフ) - setunaさん» わわ、勿体無いお言葉を!!嬉しい限りですありがとうございます(*´ω`*) 18歳組可愛いですよね!頑張らせて頂きます♪ (2016年9月10日 22時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:み | 作成日時:2016年8月17日 15時