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37. 襲撃 ページ37

智side


爆発音と共に強い魔物の気配が漂ってくる。


俺は反射的に立ち上がると、武器を持ち、制服の上着を羽織り外へ出た。


魔物のレベルが上がってから戦いの時生徒は制服の上着着用になった。


袖のラインの色が自分の属性、胸に学年を示すバッチを付けている。


内側には個人情報が書いてある。


これは大抵の事では無くならない


何かあった時、誰か分かるように…ということみたい


それほど戦いは厳しくなってる…


俺が入学した時より…ずっと


反射的に飛び出したはいいが、ハッと我にかえる。
俺は今さら何をしようと…?






「バキッッ!」



木がなぎ倒されていく不気味な音が森に響き…



魔物が姿を現した。



禍々しい姿をした魔物は5メートルはある…


過去が一気にフラッシュバックする
息が詰まり息が出来なくなる


っ!…苦しい
俺は手に持つ双剣を握りしめる…と



雅「…でかっ」


その声で現実に戻り背後を振り返ると4人が同じようにこちらを見ていた。


その顔を見て思わず俯いてしまう


でも…逃げちゃだめだ。
やっと見つけた仲間をまた、また見捨てる訳にはいかない。


俺は覚悟を決め、顔を上げると


翔くんと雅紀が上着を着て真っ直ぐな目でこちらを見ていた。


その姿を見て俺は自分でも驚くぐらい静かに自然と声を発していた




智「…だめだよ、



…戦うのはだめだよ」


雅「何で?1人じゃ無理だよ」


翔「俺らだって戦える!」


智「見たでしょ?あの大きさ、あの気配…この学園の結界を破って入ってきたんだ。一筋縄じゃいかないよ」


雅「だから!…」


俺は雅紀の声を遮るように叫んでいた


智「だからこそ!…だよ?これは模擬戦じゃない、手加減なんてない。生きるか、死ぬか…負けたら死ぬんだよ!」



翔「分かってるよ、そんなこと…初めて戦うわけじゃない…俺だって!そんなこと嫌ってほど分かってるよ…」


雅「俺ら信用できない?俺らじゃリーダーの足手まとい?」


そんなことない…翔くんが雅紀が初めての戦いじゃないこと、背負ってるもの、全部じゃないけど分かってるつもり…だけど…









分かってる…自分が怖がってるだけなんだって



でもまた、同じことになるんじゃないかって思ってしまう




「バァーーーン!!」


その時何かが爆破されたような音、そして森が騒がしくなる。



誰かが叫ぶ声がした。


俺はその声を聞いて再び意を決すると


家にかけていた結界、炎の結界を展開させた…

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作者名:紀衣 | 作成日時:2021年1月11日 21時

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