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35. 引っ越し ページ35

智side


ご飯を食べ終わり、3人で掃除を再開した。2人はリビングで何やら打ち合わせをしてる。


雅「じゃあ、机の天板が一枚と脚が四つ…大きさは?」


潤「天板は大きくしといたら?5人で使うんだし、脚はきっちり同じ大きさでお願い」


雅「はーい…」


俺は手を動かしながらもこっそり様子を伺っていた。これを成功させるには相当な異能を操る想像力が必要になってくる…


模擬戦の時に雅紀が見せた自分で槍を創り出してからずっと気になってた。


こんな提案をしたのも、雅紀の実力がもっと知りたかったっていうのもある。


雅紀が手を動かすと空中に大きな板が出てくる。


ちょっと大きすぎないか…


潤「ちょい!デカすぎるって」


雅「えっ?大きくって言ったじゃん…」


潤「もう2回り小さくして」


案の定、潤に指摘され雅紀はその板を2回り小さくしていく。


俺はそれを見て少し驚いた。


一度異能で具現化した物の形や大きさを細かく変えるのは割と難しい。4年生にまでなると出来る人は多いけどこれを2年でやるのはすごい。


やっぱり雅紀にも何かある…


普通に育ってここに入学したにしては異能の扱いが上手すぎる…入学前に何かしてたのか?


潤はネジを作るのに少し苦戦して何個か失敗作を創り出してたけど、しばらくするとコツを掴んだようで机が組み上がっていく。












雅「出来た!」


和「本当に出来た…すご」


潤「出来ないと思ってたの?」


和「こんなまともなのが出来ると思ってなかった」



完成した机は売っているのと遜色ない出来だった。
その後2人はサクッと棚も完成させた。


雅翔「終わったー!」


和「長かった…」


智「…疲れた」


潤「いや…掃除は終わったけど、引っ越しは始まってもないよ」


翔「あっ…」


潤「勢いあるうちにやった方が良くない?」


和「確かに…」


翔「…じゃあ荷造りも兼ねて一旦戻ろっか」


和「引っ越せそうな人から引っ越したらいいよね?」


潤「うん」


雅「じゃ戻ろー!」


智「皆んな先に戻ってて」


翔「ん?何かある?」


智「いや?ちょっとね」


俺はそう言って笑う。


翔「りょーかい」


翔くんはそれ以上聞かずにいてくれた。











みんなが一旦家へ帰った後、俺は家の周りをぐるっと確認し、とある事を施した。









使うことがない事を祈りながら…

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作者名:紀衣 | 作成日時:2021年1月11日 21時

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