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YG「寝不足か?」
TH「え?」
YG「くま出来てる」
鏡に映る俺は確かに疲れて見える。
夜遅くまで話し込んでるからだろうな。
理由は単純明快だけどそれをやめようとは思わない。
JM「ちゃんと寝ろよ?」
「わかってるよ」
ダンスレッスンのために服を着替える。
通知が来てあのアプリを利用していることがバレないように画面を下にして置く。
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いつも通りの変わらぬ日常にたった一つ
彼女の存在が加わったことで、俺は少しでも変われたのかな。
正直キツいと思う日の方が多いけど、
プレッシャーや不安や疲労に押しつぶされかけていた俺の瞳に、再び火を灯してくれた気がする。
何万人もできたファンの中の、たった一人のためにこんなにも必死になるなんて…
スケジュールをこなすだけで精一杯だった数日前の俺では考えられないことだと思う。
HS「いつまで残る気?倒れるよ」
TH「なんかしっくりこなくて…先帰ってていいですよ」
HS「…明日も仕事なんだし、程々にな?」
次々に部屋を出ていく。
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JK「俺も残ります」
スっと隣に並んで立つマンネは
いつの間にこんなに逞しくなったんだろう
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JK「何かあったんですか」
一通り練習をして水を飲んでいる時
グクがぶっきらぼうに聞いてきた。
TH「別に?」
俺を見透かすようにみて、ふふっと笑う。
TH「何だよ」
JK「なんか…昔に戻ったみたいです笑」
TH「え?」
JK「芽が出るまで毎日こうやって夜遅くまで練習して、」
汗に濡れた髪を、タオルでわしゃわしゃと拭く。
JK「…続けてればまだ走れますかね」
JK「そうすればこの先もずっと、俺たちはステージに立てますよね?」
微笑んでそう尋ねてくるけど瞳の奥は至って真面目で、
こいつはデビューする前の気持ちから
何も変わってないんだと思う。
俺は言われなきゃ気づかなかったことに
ずっと前から気づいてたらしい。
JK「当たり前じゃないですからね。俺達がBTSでいられること」
JK「ヒョンも今、そうやって考えてたんでしょう?」
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作者名:芙 | 作成日時:2019年2月18日 16時