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「あんたちゃんと寝てる?」
『…寝てるよ?』
「本当に?最近数値良くないみたいよ。思い当たること無いの?」
『んー…』
夜更かしが体に良くないことだなんて言われなくてもわかってる。
そして今、その夜更しが原因で少し体調が悪いことも。
でも私はキムさんと話したくて…
どうしても彼の返事を待ってしまう。
ずっとこんな生活をしてるせいで友達もいなくて。
次第にスマホの中に広がる世界に取り憑かれていったんだ。
遠い場所に住む人とも、外国の人とも繋がれる。
私と同じように退屈している人なんて世界には山ほどいる。
私と同じ病気の人とだって…
そう思うとネットの世界も馬鹿にならない。
顔も見えない相手と仲良くなることに危険を唱える大人は沢山いるけど、
そんな人が相手だからこそ打ち明けられることだってある。
だから私はこんなアプリを使っていて、
どんな出会いでも大切にしたいと思う。
それがおかしなことかな?
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ー 「夜しか返事出来なくてごめんね。眠かったら遠慮なく寝て。体調を優先してください」
…
彼からの返信はいつも私の心を知っているみたいで
友達ってこんな感じなのかなぁって思う度に
この人が近くにいてくれたらどんなに楽しいだろうって考える。
画面越しだけの関係じゃ惜しい。
…なんて言ってもどうしようもないけど
毎日のように話しているとまるで会ったことがあるような気になる。
アイコンに設定された後ろ姿の画像がなぜか
懐かしくも感じたりして。
変な感じだけど
この距離感が心地よかった。
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作者名:芙 | 作成日時:2019年2月18日 16時