二章 ページ24
-em side-
ど、ドラゴンが喋りました…。
自我は無いと言っていたはず
もしや、隠している事は自我がある事なのか！？
こちらの対応次第で殺されるかもしれない状況
取り敢えず返事をしよう
em「こんばんは、ドラゴンさん」
『(そんなにかしこまらなくてもいいですよ
何も殺す気はありませんし。お話がしたいだけなので、リラックスしてください)』
ドラゴンは私に掛けていた魔法を解いた。動ける。
いつもならこんな事を言われたらもっと警戒してしまうのだが、
何故か、今の言葉に安心できた自分がいる。
こんな自分ではいけないのに…。
はぁ…………。
『(誰しも、信じて欲しいものですよね)』
ドラゴンは、私と目を合わせたまま声帯を使わず会話する。
『(私は兵器として召喚された身。
でも普段は仲間として、戦争の時は道具として
皆さんに思って欲しいのは、我儘でしょうかね)』
em「そうですね…。
私は、貴方に嫉妬していました。
魔獣ごときがって、グルッペンさんをっ、て…。
でもあなたも願いを持っていて、
傷ついて、考えて、悩んで、もがいているんですね。
私とおんなじじゃないですか」
『(人から見たら「そんなことで?」と、思われる様な事でも
悩んでたモヤモヤが一掃されることってありますよね)』
em「分かります。今、その状況です。
貴方も悩んでいるという事を知った途端
自分の悩み事がどうでもよくなりました」
『(人って、そんなもんですよ)』
em「お勉強になりました」
『(自分のしたい事や、思ってる事って、
案外自分でも分からないものですよ)』
em「あなたは、随分と賢いドラゴンですね」
『(どこぞの総統にも言われましたよ)』
em「先を越されてしまいました」
月の光が差し込むこの部屋に
静かに笑い声が響いた。
嫉妬、というものは環境や考え方を変えれば無くなる。
例えば私の場合、ドラゴンがいなくなる、グルッペンさんが包み隠さず話してくれる、とか。
でも、ドラゴンさんの運命は変わらない。
国の為に殺し、傷つけ、戦場に立つ。
誰しも強くなりたい、と思うものだが
このドラゴンは強すぎるが故に、自分の運命を変える事が出来ない。
でも、皆には同じ人間と思って欲しい。
そんな叶わぬ願いを胸に生きるのか。
この小さな身体に、
一体どれだけのものを背負っているのだろう。
そんなことを考えている内に、眠りに落ちてしまった。
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えもんが - 初コメ失礼します！応援してます！投稿も頑張ってください！ (2023年3月19日 15時) (
レス) id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
エモンガ - 初コメ失礼します！応援してます！投稿も頑張ってください！ (2023年2月25日 16時) (レス) @page47 id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
まこち(プロフ) - 初コメ失礼します🙇♀️続きが凄く気になります!!更新待ってます!! (2022年1月18日 20時) (レス) id: 2e33e63444 (このIDを非表示/違反報告)
めぃうゆ - コメ失礼します！とても好きです！今まであまり見てこなかった内容なので、とても楽しく読めました！無理せず更新頑張ってください！！応援してます！ (2021年11月27日 20時) (レス) id: 76ee8eba35 (このIDを非表示/違反報告)
ロクロ - いや、ほんま、、、、。もう、ほんま、、、、、、。最高屋あああああああああああああああああああああああああああああ (2021年11月13日 22時) (レス) @page43 id: 315f44b475 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海月 | 作成日時：2021年9月21日 19時
