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始業前オリエンテーション ページ1

あの世には天国と地獄がある。
地獄は八大地獄と八寒地獄の二つに分かれ、さらに二百七十二の細かい部署に分かれている。
貧富の差が激しく、生活の安定しない家庭は多い。今日も今日とて、何処かで人が死に何処かで人が生まれている。
人口の増減の速さ、悪霊の狂暴化、文明開化による妖怪どもの住処の減少そして、生者の鬼化という現象にあの世は多忙と混乱を極めていた。
あの世でもこの世でも統治に欲しいのは冷静な後始末係である。
ただ、こういった影の傑物はただのカリスマよりずっと少ない。

「ある意味、見る目と引き抜きの才能が重要ですよね」

そう考えると閻魔大王様は優秀な人物だ。何せ地獄という体制を作り、何処と無く気難しい上司の才能に目をつけ引き抜いたのだから
閻魔大王第一補佐官補佐、(A)は目の前にいる上司二人を見つめた。
この中の誰よりも偉い立場である閻魔大王が、部下である閻魔大王第一補佐官の鬼灯様に叱られるのは最早日常茶飯事となっていた。
第一補佐官補佐に任命され、この場面を初めて目にした時の驚きは最早感じなくなってしまった。人の適応力というのは恐ろしい。

「鬼灯様、本日はそのくらいにしておきましょう。終業時間です」

報告書を仕上げ、鬼灯様に声をかける

「た、助かったー」

閻魔大王は命からがら逃げ出してきたかのような声をあげ鬼灯様は溜息を漏らす

「ったく。閻魔大王、続きは明日しますからね」

地獄の宣言をした鬼灯様は閻魔大王の嘆きの声を無視してこちらにやってくる。

「こちら、本日の報告書です」

「ああ、ありがとうございます」

巻物を渡せば鬼灯様は中身を一通り確認した後、頷いた。そのあと

「あ、そうだ。(A)さん」

「はい」

鬼灯様は淡々と一言

「現世へ単身赴任をお願いしたいのですが」

無表情で言い放った。



<履歴書>
名前:(A) 役職:閻魔大王第一補佐官補佐
没年:900年代
生前:所謂絶世の美女として有名だった。生まれは由緒正しき貴族、しかし立ち位置は低く邪険にされて育った。引きこもりがちで読書に加え、勉学と稽古事に没頭していた。その後、病死する
死後:人材不足の為、亡者ながら地獄の従業員として引き抜きされる。記録課清書班にいたが精神崩壊を起こさなかった伝説を残して後輩に語り継がれている。江戸時代あたりから衆合地獄に助っ人として呼ばれだし、江戸時代中期に鬼灯によって引き抜かれ閻魔大王第一秘書官補佐となった

報告書NO.1→



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アッハ♡ - ンフフwラストの炭治郎くんがかわいい〜更新が楽しみですね〜 (2022年8月9日 12時) (レス) @page4 id: 25f0414806 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - 更新楽しみにしてます!! (2019年12月10日 17時) (レス) id: 7e5a632e4e (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - 更新楽しみにしてますね! (2019年8月24日 17時) (レス) id: 175834cb52 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - この2つのコラボ作品いつか見たいと思っていたので凄い嬉しいです!!これからも応援しています! (2019年8月24日 17時) (レス) id: 175834cb52 (このIDを非表示/違反報告)
あゆたん - 面白いですね!鬼灯も鬼滅も好きなので嬉しかったです!!頑張ってください!! (2019年8月19日 23時) (レス) id: 8c18e55f2e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年8月1日 17時

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