死ぬ気はない ページ14
ぱちりと目を開けた。
…嫌な夢見ちゃったなぁ。
皆を責めるみたいな夢。被害者側である皆を、まるで悪だと決めつけるような夢。
眠る前までの頭痛はどこかに消えていて、湿った手拭いによって微かに濡れた前髪が額に貼り付いていた。
身体を起こす。もう苦しくはなかった。
がらんとした審神者部屋に、全てが夢だったんじゃないかと疑わせられる。
…結局皆、泣き止んだかなぁ？
立ち上がって布団をたたもうとすると、斬った腕と肩がツキリと痛んだ。真新しい、真っ白な包帯に赤い血が滲む。
…鶴。
紅がよく映える、雪みたいな白い鶴…。
腕から目線を外し、布団をさっさと畳んで押し入れにしまった。
早く皆のところに行って手入れをしなきゃ。粟田口だけであれほど酷いなら、他の皆も相当なはず。
審神者部屋の襖を開け放して、見慣れた廊下に一歩踏み出した。
左に行けば手入れ部屋と本丸の入口。右に行けば皆の部屋で、その次の角を真っ直ぐ行けば大広間、右に行けば厨房で左に行けば訓練場。本当の地図はもっと細かいけれど、大雑把に言ったらそれぐらいだ。
…とりあえずお腹空いた。厨房行こう。
少しフラつきながらもバカ長い廊下を通って、何とかして角の前にたどり着く。庭を見下ろせば、来たときは枯れていたはずの植物たちがほんの少し芽吹いていた。霊力放出するだけで花咲かせるなんて、さっすが手前。
ぐきゅぅ、とお腹が間抜けな音を立てて、胃を抑えながらも厨房にたどり着いた。
「なんかないかなぁ…、…ぅわお」
見事に空っぽ、何もない。まあそりゃそうだよね、畑もろくに機能してないし、怪我だらけで食材買いにもいけないし。
でもお腹空いたなぁ…、ちょっと申し訳ないけど、こんのすけが帰ってきたら何か頼んでみるか。
それに皆だって、食事は必要ないかもしれないけれどお腹は空いてるんじゃないかなぁ。
…大広間、行ってみるか。
不思議なくらい静まり返った廊下を歩いていくと、大広間に近づくにつれて争うような声が聞こえてきた。
「だから、何度も言っているでしょう…！主に会わせることはできないのです」
「ああ聞いたさ。でもそれは君たちの我儘ではないのか？」
「あるじさまが、ほんとうにかえってきたのなら。…ぼくたちは、あってあやまりたいのです」
一期、歌仙、今剣。
…なんか良く分かんないけど、手前のせいでもめてる…？
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碧 - 面白かったです！御体に無理がないように頑張ってください！ (4月13日 11時) (
レス) id: 75384074dc (このIDを非表示/違反報告)
？？？ - 更新楽しみにまってます。 (3月28日 18時) (レス) @page17 id: 66c9a050dc (このIDを非表示/違反報告)
天照(プロフ) - 面白かったです❗️更新楽しみに待ってます！ (1月4日 23時) (レス) @page7 id: aa210f3daf (このIDを非表示/違反報告)
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